10月『ワタシ、シノブカイ。』終演ご報告。 | なおりんの日々是精進。

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生涯現役の舞台役者を目指す飯田南織がなんとな~く綴る、犬と舞台と時々デザインの日記です。

こんばんはお月様

ブログでのご報告が遅くなってしまいましたが、

ベニバラ兎団プロデュースシアターVol.20
『ワタシ、シノブカイ。』、
連日温かいお客様に見守られながら

無事に全公演の幕を下ろす事が出来ました。

ご来場下さいました皆様、
ご来場出来ずとも応援して下さった皆様、

本当に本当にありがとうございました!


そして、共に走り抜けてくれた共演者の皆様。


再びこの物語を届ける機会を与えて下さったIZAMさん。
4年ぶりに触れても、やっぱり大好きだと思える

素敵な物語をお書き下さったトオルさん。

忙しい中、様々な形でサポートしてくれた

ベニバラメンバーやアヤカちゃん。

バタバタして写真撮り損ねましたが、

写真の皆に加えて原ちゃん&翔も駆けつけてくれて、

なんと今回はベニバラメンバー全員フル稼働で

公演を支えてくれました!

 

皆の心に寄り添って音楽を奏で

作品世界を広げてくれた
キーボードのアッコさん&有梨さん。


安心して舞台に立てるよう
全力で支えて下さったスタッフの皆様、

照明の岡田さん&山岡さん、音響の山下さん、

舞台監督の榊原さん、

舞監補の東京ハイビームの直樹さん。

 

急遽、日替わりスペシャルゲストとして

多大なるお力添えをしてくださった

小谷嘉一さん、YuyaTakahashiさん、久下恭平くん。


その他、この公演に携わって下さった全ての皆様に、

この場を借りて心より御礼申し上げます。


本当に本当に有り難うございました・・・!!

 

 

【ククリ】

そして今回も人生をお預かりする事のできたククリ。

今回も大変お世話になりました。

あなたの人生を再びお預かりする事ができて幸せでした。

 

4年ぶりに再会しても、

やっぱりこの人は痛快で、破天荒で真っ直ぐで、

身体を貸すのは本当にクタクタに疲れるけど

やっぱり心底大好きな人でした。

 

初演時に書いた考察を久しぶりに読み返してみても、

人物像や背景のベースは大きく変わっていません。

 

クローバー2015年『ワタシ、シノブカイ。』後記【考察もどき】

 

真っ直ぐすぎる正義感と
その破天荒さ故にイワトの門を破門された
伝説の元・アテンダー『ククリ』。

彼女の最大のキーワードは

私の中では今回も変わらず『異端』でした。

 

ある意味、世界の秩序を崩しかねない

禁忌ともいえる魔法の力を持つ『異端児』。

 

死者の魂を幽霊として具現化し生者に会わせる事ができる、

死者と生者を会話させる事が出来る、

誰かの身体に憑依させて触れ合わせる事さえできる。

 

破門されたのは、彼女の破天荒さに加えて、

その『禁忌の力』故なんだろうなと思います。

 


何処にも何にも属さない『孤高』。

出会う人が悉く従ってしまう『カリスマ性』。

全てをひっくり返してしまうような『破天荒さ』。
人間でも天界人でもない『中立』の存在である事。
二つの世界を『繋ぐ』存在である事。
同時にその双方の世界を『超越』したような存在である事。


その為の金髪。その為の黒装束。
光と影。生の世界と死の世界。

性別も女性ではありますが

振る舞いは中性的に見えるようにしていました。

 

子供のような無邪気さと仙人のような達観。

 

ククリの名前の由来は、

日本書紀に一瞬だけ出てくる菊理媛神(ククリヒメノカミ)。

死者と生者を繋ぎ万事を括るとされる謎に満ちた神です。

 

なので『破天荒、気狂い』と称されながらも、

立ち居振る舞いは決して下品にはなりすぎず、

自由釈放でありながらも

どこか王者のような風格や気高さ、品格を纏えるように

努めていました。

破門されてから現在に至るまで、

何千年という長い時間、

下界を一人で徘徊し惨状を目の当たりにしてきた彼女。


天界の怠慢のせいで成仏出来ぬまま彷徨う魂達を
正規の手段とは違った形で

『本当の意味』で救い続けてきた彼女は
アウトローな正義の味方、
ある意味「ブラックジャック」的な人だと思っています。

 

手袋なしで直接手を触れたら力が発動してしまうから、

何かを救う時以外は素手で誰かに触れる事ができない。

そう思うと少し哀しいな、とも思う。

 

[1.死生観]

でもだからといって彼女は

決して暗い訳でもひねくれてる訳でもなく、

むしろそんな全てを引っくるめて、

達観した視点から『諸行無常』の精神で

あるがままを受け入れ自由を楽しむ人でした。

 


脆く儚い人間達を心底愛おしみ、それ故に破門された人。
本当は物凄く懐が深くて優しい、慈悲深い人。
同時に厳格なまでに冷酷に神に近い立場で宿命を見届ける人。

 

当時も感じていましたが、

他のイワトメンバーに比べて

間近で人間たちの生死を見てきた彼女は、

上手く言えませんが人間一人一人に思いを寄せすぎたら

自分が永遠の時を生きていけない事を痛感していて、

だからこそ「今」を大切に慈しんで

見つめ続けているのだと思う。

 

そして人生を終えた御霊は、

どんな人であれ「最期」だけでも

丁重に弔われ天に昇るべきだと考えているし、

だから御霊を軽んじる天界が許せないのでしょう。

 

[2.初演と再演]

ちなみに4年前と比べて。

前回以上に、ククリは人間が好きでした。

そして、しがらみの中で生きるイワトの人々も。

 

それはこの4年の間に、

私自身が出逢った様々な経験や蓄積された思いによって、

少しだけでも人として成長できたからなのかもしれません。

だとしたら嬉しいなぁ。。

 

また今回の再演では、

私以外は全員が新キャストとなりました。

 

ありがたくも両方を体感できた身としては、

やっぱりキャストが違えば出来上がるものも全然違う。

 

でもどちらが正解、とかじゃなく、

どちらもシノブカイ。

今回は今回の座組でしかできないシノブカイだったと思います。

 

そんな新しい今回ならではのシノブカイを、

座組の皆様と作る事ができて、

それを沢山のお客様にお届けする事ができて幸せでしたクローバー

 

ちなみに初演時は、

あのままイワトの門に残り続けるかなと思っていましたが、

今回はなんとなく、

彼女は天界がある程度落ち着いたら、

友好的な関係は保ちつつもイワトの門から離れて

またアウトローに下界を徘徊して

はぐれた御霊を救う事を選択するんじゃないかなと

思ったりもしました。

 

[3.彼女を受け入れて下さった皆様へ]

後半になって突然出てきて、

全てをひっくり返して纏めて、

物語を結末に導いていく救世主の役目を預かっている彼女。

 

SNSのご感想で彼女の事を

『トリックスター』と書いて下さっていた方がいましたが、

正にその通りだと思います。


そんな彼女は絶対的な存在でなければならず、
彼女が舞台上に登場した瞬間に

お客様がワクワクして期待感を抱くような、

何かをやってくれると自然に信頼をして頂けるような、
そしてその事に対して反発や戸惑いを感じないような、
『目に見えない厚みのある確固たる存在』でなければならない。

 

そんな風に思っていたので、

毎回登場するまでは緊張もプレッシャーもありましたし、

だからこそ沢山のお客様から自然に受け入れて頂けて、

彼女の事を「好き」と仰って頂けた事が

本当に本当に嬉しかったです。

 

「スピンオフが見たい」という温かいお声も沢山頂けて、

彼女に愛着を持って下さった方が沢山いらした事が、

何よりも彼女や作品に少しでもご恩返しができたように思えて

嬉しかったです。。

本当に有難うございます!

 

もちろんこれ以上に多くの事に

考えを巡らせて臨ませていただきましたが、

初演時同様にこの作品やククリという役は、

またいつか機会があったら再会をしたい役なので、

さらっとした部分のみに抑え

これ以上書くことはやめておきますあせる

 

他の登場人物たちの織りなすドラマに加え、

彼女の生き様も見守って下さり本当に有難うございました!

 

[4.まとめ]

と、今回も何だかんだと長々と文章を連ねてしまいました。。

 

ここに書いたことはいつもの如く、

あくまで私がククリという人物を紐解くために

考えていた諸々の一旦に過ぎません。

 

決してこれが正解というわけではないし、

日によって去来する思いはその日の舞台上の皆様、

そして客席の皆様から出される波動によって

自然と変化するものだと思っています。

 

なのであくまでも物語を思い出すための足がかりとして

話半分にお読みいただければ幸いです。

 

真実は皆様がご覧下さって感じ取って下さった物が全て。

 

どうかふとした折に、皆様があの瞬間、

それぞれにご覧下さった景色の欠片だけでも

お心の片隅に残して頂けたなら幸いです。

 

【おまけ[同窓会]】

ちなみに今作に登場した鏑木と大蛇。

そして今年6月に『リリアンEX』で登場した滝藤と金井。

 

『リリアンEX』をご覧下さった方は

すぐにピンと来て下さったみたいで嬉しかったですラブラブ

 

6月にリリアンEXで上演したトオルさん作の『同窓会』。

 

実はこの『同窓会』の台本はずっと以前から有り、

4年前にトオルさんが『シノブカイ』を書かれた際に、

ある意味スピンオフ的に同じような関係性の2人が

再登場してきた感じだったりしました。

 

リリアンEXの頃は、

まだ今年シノブカイの再演をする予定は

決まっていなかったでしょうし、

そう思うと偶然とはいえ面白い巡り合わせだなぁと

つくづく思います。

 

【頂き物】

そして今回も、こんなに沢山の贈り物をいただきました。

 

ご来場いただけるだけでも本当に本当に嬉しいのに、

さらには御心のこもった数々の贈り物を

本当に有難うございます・・・!

 

綺麗なお花や美味しいお菓子、健康グッズや可愛い雑貨、

栄養ドリンクにお心の篭ったお手紙などなど。

もしお写真を撮り損ねてしまっている方が

いましたら申し訳ありません💦

 

皆様が、私の事を少しでも頭に浮かべながら

贈り物を選んでご用意下さったんだなぁと思うだけで、

申し訳なくも光栄で本当に嬉しいです。。

 

でも本当にご無理はなさらず!

時折「今日は手ぶらですみません」とご挨拶の際に

仰ってくださる方がいるのですが、

本当に、劇場に貴重なお時間とお金を割いて

足を運んで頂けるだけで十分に幸せなのです。

本当にありがとうございます。

 

皆様のご好意に恥じぬよう、
これからも役者として舞台上からご恩返しが出来るよう、
精進して参ります。

 

【座組の皆様】

本当は座組の皆様1人1人についても書きたいけど、

もうキリがないので写真の一部を載せるだけで断念しますあせる

 

座長の楓ちゃんの真っ直ぐなひたむきさに触発されて、

本当に1人1人が一生懸命に、

必死にそれぞれの役目について悩んで、

考えて、突き詰めて、

最後までこの作品に喰らいついて

千秋楽まで臨んだ公演でした。

 

そんな座組で、

大切なこの作品を蘇らせる事ができて、

そして沢山のお客様にお届けすることができて

幸せでしたクローバー

 

そのような作品を見届けて下さった皆様に、

改めて心より御礼申し上げます。

 

【ご挨拶】

と、やっぱり今回も長くなってしまいました。。

ここまでお読みくださった皆様、本当に有難うございます💦

 

最後にご挨拶を書いて、

一度私の中でこの作品の幕を下ろしたいと思います。

 

この度は『ワタシ、シノブカイ。』にご来場、応援下さり

本当にありがとうございました。

 

今回も人生を預けてくれたククリにも、

心から感謝致します。

どこまで貴方の背負った人生を

客席のお届けできたかは分かりませんが、

今の自分にできる精一杯+αの力で臨ませていただきました。

 

自身の反省点は多々あれど、

それは口に出さずに今後の生涯にわたる修行の道の

糧として活かして参ります。

 

出演者、関係者一同、試行錯誤してお届けした

『ワタシ、シノブカイ。』。

 

ご来場くださり、共に空間を共有して

この作品に客席からご参加くださった皆様に、

改めて感謝御礼申し上げます。

皆様の暖かいお気持ちに力を頂き、
最後まで走り抜くことができました。

 

ある意味でパラレルワールドの要素も含んだ今作。

4年の時を経て、

この物語が再び蘇った瞬間に立ち会えて幸せでした。

 

もし万が一、

いつかまたこの物語が3度目に蘇る日が来たら、

どうかその時は再び目撃者として劇場に足をお運び下さい。

 

千秋楽の夜、

3人の御霊と1人の御霊が、

彷徨うことなく無事に天へと昇った事を

心より願っております。

 

皆様のお心の片隅に、

少しでも何かをお届けできたのであれば幸いです。

 

また、いつか、どこかで、

破天荒なあの人の姿で皆様に再会できますように。

 

有難うございました!!