2020年の公示地価が発表された。この時期になると思うことがある。
土地の価格の曖昧さ、不思議さである。
昨日のニュースでは、森友学園問題で、国有地を8億円も値引きして売却許可をした官僚が文書を改ざんしたとして
自殺したが、家族が、改ざんを指示したのは当時の理財局長であることがあきらかであると裁判所に訴えを起こしたということである。
国有地ともなれば、その適正価格は、国が算出するものであろう。
公示地価も国の方針に基づいて、国が資格を与えた不動産鑑定士が行うもので、民間の土地取引の参考となっている。国有地の土地価格評価も不動産鑑定士に依頼するものかどうかはわからないが、官僚が算定するものと大差があるのではおかしい。
また、元福島県知事佐藤栄佐久氏が弟が行った土地売買において売却価格の設定の差異が、実質収賄に当たるとして、起訴され、有罪となった。当時私は、不動産に定価はなく市場で価格が決まるのだから、いくらで売ろうが、買おうが、価格設定は自由ではないのかと思っていたのですが、検察官、裁判所の判断は、「相場価格」があり、それより低く売ってもらった場合、差額分は収賄に当たるという論理だったのである。
親族間で相場より極端に低い価格で売買すると税務署から贈与とみなされることがあるので注意が必要だということにも、相場が出てくる。
①固定資産税評価額、②路線価額、③公示地価額、④時価額（相場額）という土地価額があり、それぞれの価格が場面に応じて使い分けされとても複雑で面倒なのである。不動産取引は、もともとが、あやしい価格設定になっており（ならざるを得ない）、透明性がなく、ブラックボックスなのは、こんな背景があるからなのではないか？
そんな不動産を扱う業者は、いまだに、ネガティブな印象を持たれ、映画やドラマなどでは「悪役」を担わされ、「不動産屋」と呼ばれ続け、まだまだ社会的評価が低い面があるのは、あやしい価格設定が原因ではないのか？なんて飛躍しすぎかな・・。
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