とうとう私は「馬場会長」に押し切られて
「真玉歌舞伎保存会」が一ヵ月後に出演する
「第二回伝統芸能の競演」に
助っ人として三味線を弾き・・
＜♪何が何して なんとやら～～♪＞の
義太夫節というのか？そんなものまで・・
やらされる羽目になった！
撮影担当の「江口」さんが今回演じる演目の
ＤＶＤと三味線のお手本テープをどっさりと持ってきた
「これらを来月本番まで覚えて下さい」
その事務的な言い方に内心ムッときた！
全く歌舞伎の事がわからない私に一ヶ月で覚えろ！
と宣告されたような気がしたからだ！
しかしそれは今となっては私の甘えである！
決まったからにはやらねばならない
卓球は休む気はない！
卓球で疲れた体に鞭打ち明け方近くまで
三味線と義太夫に取り組んだ、
幕が開いて即 三味線が流れるので
そこで音階を外したら私一人のミスのみならず
「真玉歌舞伎保存会」の400年の歴史に
泥を塗ることになる！
いよいよ本番まで一週間を切ったある日
「馬場会長」から食事の招待を受けた
「馬場会長」のお宅に伺った玄関をいると
数多くの絵画がそれも外国の風景画が
ずらりと掛けられていた
「馬場会長 絵画収集が趣味なんですか？」
「いいや それは俺が外国旅行の折に描いたものだ」
会長は海外旅行が趣味でほぼ全世界を回っていた
そして絵は専門家顔負けの腕前であった！
応接間に入るともう一人・人物が迎えてくれた名刺を渡された
「安藤」さんという女形専門の人だった
「夕貴さんには今回ご無理を申しましてすいませんでした」
まるで歌舞伎の舞台そのままの優しい声のトーンと
所作は女形そのものだった！
＜惚れてしまいそう＞・・・
「いいえ・・・本番でやれるかどうか・・
少々心配ではありますが・・私も芸事は嫌いではないし、
なんとかやれると思います」
「いや～夕貴さんよくやってくれました本番は頼みます」
会長は一本木な性格の人だった！
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最後の通し稽古には地元テレビも取材に来てくれた
「豊後高田市」のマイクロバスが運転手付で提供された
全員揃いの「真玉歌舞伎保存会」のハッピ着用が
会長より発せられた
いざ！・・・目指すは 日田市の「パトリア日田」の大ホール
