◆天気予報通り、雨の朝。かなり強い降りだ。さてどうしよう・・・朝食しながら外の様子を観察する。そこで思い出す。昨日の草取りの時、翌日咲くであろう雌花が数個あったカボチャのことを。無駄死にさせたくないなあ。野球帽の上に毛糸の帽子を重ねるスタイルで現場に向かった。

 

 

  ◆カボチャが終わったらすぐ部屋に戻るつもりでいたのに、欲が出た。草の中で息苦しそうにしている野菜が何種類かある。よっしゃ、やってやろう。

 

 

  ◆1時間半くらい、途中でスコップからノコギリに持ち替えてひたすらヤブと格闘した。そして寒くなった。パンツの中までズブ濡れだ。部屋に戻ろう、着替えよう。手土産はミミズ。草の下から出て来た10匹ほど。ウナギたちが喜ぶ。

 

 

  ◆部屋に戻って、熱い珈琲とバナナで冷えた体を回復させ・・・ふと思いつく。部屋の床掃除をしよう。ニワトリたちが出入りするので床に土がだいぶたまっている。それを箒で集め、雑巾を何枚も取り替えてゴシゴシとやる。雨はだんだんと強くなる。

 

 

  ◆音楽を聴いてしばしくつろごう。ユーチューブを開く。何年にもわたり聴いた曲のリストが表示される。映画音楽が多い。シンドラーのリスト。ドクトルジバゴ。太陽がいっぱい。それにアベマリア。ああ、こんな曲もあったのか。そう思いながら聴いたのは昭和51年、西島三重子という歌手の池上線。中学生から暮らした東京だが、中野、杉並、練馬と、いずれもまだ麦畑さえもあった、いわば東京の田舎だけ。池上線に歌われる五反田のような街に僕はほとんど縁がなかった。しかしユーチューブに映し出されるその風景はどこか懐かしいものだった。昭和51年といえば48年前、僕は29歳。今の東京しか知らない人は、これがほんとに東京? と信じられない気がするだろう。

 

 

  ◆午後2時半。雨は降り続く。まさか、このまま風呂に入って晩酌だなんて・・・気にはならないよなあ。重装備して畑に向かう。サツマイモの草取り、地面に垂れたゴーヤのツルのケア、ズッキーニの土寄せ。最後にまたまたヤブの開拓。今日だけで10枚の洗濯物が出た。明日は晴れて暑くなるらしい。暑いのがいい。