缶詰の蓋みたいに涙状で滲んだ声
「拝啓」の文字がやけに余所余所しく響いた
空に咲く爛漫の花 影絵で重なる二つの指
解けないように願った 「想い」は花火と散った
あの頃よりは少し「都合」って言葉も理解したし
預けたままの鍵で「ただいま」を待ってるから
真夜中に眺めた街は角砂糖
夜に一つ二つ甘く溶けて消える
鳴りやまないその声は 胸の中だけで響いて
懐かしく、もどかしく、傷跡は残ります
振り止まない悲しみに濡れた頬を指でぼかす
その仕草でタクトを振る 色あせたオーケストラ
あの頃よりは少し「便利」って言葉も理解したし
変えられない鍵で「おかえり」は待ってるから
掛け違いのボタンみたいにくたびれた
背丈違いのグラスに残るあなたの色
鳴ることのないメロディー 胸の中だけで響いて
あの頃と変わらない音色で歌います
振り止まない悲しみに濡れた頬を指でぼかす
その仕草でタクトを振る 色あせたオーケストラ
残響のオーケストラ
word:蜜
music:聖
ゴシックな世界観を有するバンドDollyによる、最も波に乗っていた時期に発売されたアルバムに入っていた楽曲です。
ライブの定番曲であるAlice in Dizzypitと同じアルバムに入っておりますが、Alice in Dizzypitはネットの一部で考察がされていたくらい、難解で解きごたえのあるパズルのような歌詞がファンを惹きつけた楽曲ですが、
対して今回紹介する「トレモロジック」は、待ち続ける女心を、目を見張るほどの比喩表現で綴り、
切なくも疾走感があるテクニカルなメロディに、的確に当てて来た曲となっています。
ゴシックがベースだったDollyの世界観にもよく合った楽曲でした。
ただ、惜しむらくは、この曲は知名度が非常に低いです。