私は自宅での英語教室の他に、今年度から中学校で非常勤講師として英語を教え始め、先日が最後の授業だった。
今年の担当は一年生だった。
一年も経つと情が湧いてきて来年もこの子たちを教えたいという気持ちでいっぱいだけど、たぶん来年も一年生担当だろうと他の先生たちに言われてしまった。
私は中学校で勤務するのが初めてだから生徒に情が移ったりしてしまうのだろう。
長年教員をやっていたら一年毎にこんなことを考えてはいられないと思う。
私の最後の授業の日、出勤するといつもは忙しそうで挨拶もしない担任の先生が
「一年間ありがとうございました。」
と言ってくれた。
この先生は来年度は違う学校に行くことが決まっている。
私は本当はもっといろんな話をしたかったけど、自分のやることで精いっぱいだったし、常勤の若い先生たちの雰囲気になじめず話ができないまま一年の終わりになってしまった。
この日は授業が詰まっていて空き時間もなかったので、話す機会もないままだった。
授業の初め、この子たちに教えるのは最後かも、と思ったらちょっと泣きそうになったけど、それよりも教科書を終わらせなければいけないというプレッシャーがあり、超特急で授業を進めた。
雑談をする余裕もなくなんとか教科書を終えたけど、本当はやりたかったリスニングができなかったのが心残りだ。
授業の最後はいつもは英語で
「Good-bye everyone. See you next week.」
などと言うけど、See you. のあとに何と言えばよいか分からず黙ってしまっていたら、代表の生徒が他の教科の時のように
「ありがとうございました」
と言って、皆がそれに続いて挨拶をしてくれた。
そして、代表の子が前に出て来て、皆が私へのメッセージを書いてくれたプレートを渡してくれた。
私は泣きそうだったけど、補助で入った先生も一緒にいたし我慢した。
生徒の何人かは授業が終わってから
「一年間ありがとうございました」
と言いに来てくれたし、数人の生徒は
「来年も先生に教えて欲しい」
と言ってくれたのでとても嬉しかった。
私も来年もあの子たちを教えたい。
どうなるか分からないけど。
私は先日、校長先生から今年も同じ学校で勤務できると聞いたけど、移動する先生は自分がどこの学校に行くかも最後の最後まで分からないのが教員の世界。
20年も非常勤講師をやっている先輩の先生はいろいろな学校を経験している。
私は何年働けるか分からないけど、いつかは移動があることを肝に銘じておかないといけない。