昼間のパートを辞めて半年が過ぎた。

パートを辞めた理由はいくつかあった。

職場への不満が溜まったこと、次男の登校時間が早すぎて身体がしんどくて仕方なかったこと(これが一番大きかった)。

時間がなくてやりたいことができなかたことも大きかった。

私が一番やりたかったこと、それは『英語の勉強』だった。

自宅で英語を教えていることもあり、英語は勉強し続けたかった。

元々大学では英語を勉強していたので、それを無駄にしたくない気持ちもあったし。

パートで働きながら週1日休みを取って英会話を習っていたけど、その予習や復習、自宅の英語教室の準備をする時間もないことがストレスだった。

 

そしてついにパートを辞めた時、さあ英語の勉強に本腰を入れよう。

さて、何をやろうか。

と考え、思いついたのは英検を受けるか、TOEICを受けるか、の2択だった。

実は英検は20数年前に受けて不合格だったきり受けていない。

その時は、私にとってはあまりにも難しいと諦めていた。

でも人生の目標として受けてみようか、という気持ちが湧いた。

パートを辞めて昼間の時間ができたし。

そして英検に挑戦することにした。

 

すぐに問題集を買ってきた。

パートを辞めたのは年末だったので、年3回ある試験の内、6月の試験を目指して勉強をすることにした。

冬の間はまだ半年あるという気持ちでのんびり取りかかり、英単語帳などを作ったりしていた。

試験内容について読んでみると、数年経つ間に変わっていた。

まず、私は試験の2時間の間座り続けていることが困難だった(そこから?)。

私は午前中わりとよく水分を摂るので、トイレによく行く。

でも2時間トイレには行けないし、水分も摂れない。

それに慣れなければ。

そして過去問を解いてみると、自分の集中力があまりにもなくなっていることに驚いた。

長文を読んでいてもいつの間にかよそ事を考えてしまっている。

これではいけない。

とにかく、過去問を解きまくろう。

と問題集を何冊も買い込んだ。

 

とはいえ毎日寝不足で勉強には集中できなかった。

問題集を開いてもいつの間にかウトウトしていて、何もしないうちに時間だけが過ぎてしまい、それがまたストレスだった。

合否が決まる『英検』じゃなくて自分のスコアがわかる『TOEIC』にすればよかったと何回も後悔した。

過去問を解いても合格点はなかなか取れず、とても受かる気などしなかった。

だから落ちたというのが恥ずかしくて誰にも英検を受けることは言わなかった。

ただ、お正月に実家に集まった時に弟に話したら「その年で試験に挑戦するのは偉いよ」と言ってくれたのが嬉しかった。

やっぱり人生を懸けて受かりたい、と思った。

 

習っている英会話のクラスでも英検の話はよく出る。

「〇〇さんは〇級を持っていて、〇〇さんは〇級で」とよく聞くのでやっぱり英検は英語を勉強する人のステイタスなのかなという気もする。

 

申込期間になっても私は本当に受けようか迷っていた。

でも早いうちに申し込まないと市外の遠い試験会場に行くことになってしまうので思い切って申し込みをしてしまった。

おしりに火が付いた状態で眠気と闘いながら勉強をした。

でも何回過去問を解いてもあと3点が取れなかった。

あと3点取れないと受からない、と毎日考えながら落ち着かない日々を過ごした。

やっぱり私には英検合格は無理なのかなと思った。

 

だんだん日にちが過ぎて、春くらいには過去問を何回か解いていくうちに少しづつ点数が取れるようになった。

そして水分も摂らず、トイレにも行かず2時間机に座り続けていられるようになった(子供か!)。

受かる気はしなかったけど、もし当日寝不足じゃなくてめちゃくちゃ体調もよくて頭が冴えていたら可能性があるかも、とも思えた。

 

そして受けた英検。

同じ会場には大人の人もたくさんいたけど、学生もいた。

ちなみにウチの次男は英語が大嫌いでノー勉で受けて落ちたので、本当にお金がもったいなかったと思う。

試験の部屋は冷房ガンガンで寒かった。

(これじゃトイレに行きたくなっちゃうよ)と言うのが一番の心配だった。

でも寒かったせいか、頭は冴えていた。

当日は家族に宣言したとおり、早起きはしなかったので寝不足でもなかった。

初めて受けた試験と同じ感覚で緊張したので文字が震えてしまった。

 

なんとか試験を終えた。

(もし落ちてもまた受けるのはしんどいな)と言うのが本音だった。

解答速報を見ても合否は自分では判定できなかった。

もしかしたらという気持ちもあったけど、英作文でどれだけ点がもらえるかはさっぱり分からなかった。

ドキドキハラハラしながら何もしないまま2週間たって、PCで確認したら1次試験は合格していた。

まさかと思ったけどとても嬉しかった。

長男が大学に合格した時と同じくらい嬉しかった。

 

でも、はっと気が付いた。

2次試験がある!

何も対策をしていない。

合否を確認したその日の夕方に慌てて本屋に行き、2次対策用の問題集を買った。

その本屋には残り1冊しかなかった。

そして試験内容を読んでショックを受けた。

難しすぎる…。

せっかく1次に受かったのにこれじゃ2次の面接は無理だわ。

まるで1次試験が落ちたかのように落ち込んだ。

 

でも2次の面接まで2週間もないのでとにかく練習するしかない。

とてもとても受かる気はしなかったけど、練習しまくった。

もし、落ちても数回は1次免除があるのでまた受ければいい。

たまたま同じ英会話を習っている子が1次に受かり、私と同じ状況だった。

二人で泣きそうになりながら励まし合った。

 

そして2次面接の日。

面接官が優しい人でありますように、と心の中で祈った。

渡されたカードは練習したものほど難しくなく、質問内容も言葉に詰まるほど難しい内容ではなかった。

面接官の表情を見る限り、大丈夫かなと思えた。

とりあえず試験が終わって、解放感でいっぱいだった。

大学入試の時ってこんな気持ちだったっけ?

人生を左右するような大学入試とはレベルが違うことだけど。

 

発表日を待って合否結果を見たら合格していた。

嬉しかった。

人生を懸けた目標を達成できた(大袈裟な)。

 

これからはこれをどう生かすかが課題だ。