現在使用しているラインはPE+リーダーという一般的な組み合わせです。
PEはDUELのスーパーエックスワイヤー 4号
直線強力 60Lbs
リーダーはクレハのシーガープレミアムマックスショックリーダー 12号
実強力 49Lb
リーダーの要否についてインターネット上で見てみると船宿、個人によって意見が分かれています。
東京湾内においては
・PE4~6号をスナップに直結
・PE3号以上でリーダーは8~10号以上
このような記述が多いと思われます。
まず、ラインの太さについてはタコの乗りに全くと言っていいほど影響がありません。仮にタコがラインに気付き、警戒して乗ってこないということであればエギ釣りよりはるかに太い糸を使ったテンヤ釣りではまったく釣れないということが起こりえます。
が
これまでそのような状況を聞いたことも見たこともありません。
浦安 吉野屋さんのテンヤ仕掛けは渋糸26号+リーダー26号です。
仮に影響があったとしても26号相当のライン直径までは大きな影響はないと考えられます。
では出来る限りラインを太くすればよいかと言えばそうではなく、ラインを太くするメリット、デメリットについて考える必要があります。
まず、メリットについて
①アワセ切れのリスクが減る。
PEラインは伸張性が低い(伸び縮みしにくい)かつ同一線径においてはナイロン、フロロカーボンの5倍前後の強度があります。※およその目安です。メーカー、品番によって異なります。
伸張性が低い分瞬間的な負荷がかかると切れやすいという欠点がありますが、太くなるほど強度も増すため合わせ切れしにくくなります。
タコ釣りのメッカである明石の標準はPE2号とのことなのでその実績からタコを掛けるという点だけを考えればPE2号が最低ラインだと思います。
※タコ釣りを始めたばかりの頃に1.5号を使用して何度も高切れしました。
②エギ、テンヤの回収率が上がる。
根掛かりした際にエギの針が伸びる、もげる、アイがもげる、大物外道(石、根菜風海藻、ロープ、捨て網 等)を底から引き剥がして上げて来られることでエギを回収できる確率が上がります。エギが破損しても海底に残すゴミをを減らせます。
次にデメリットについて
①潮受けしやすくなる
ラインが太くなれば海水との接触面積が増えて潮受けしやすくなります。その結果、オモリが浮いて底取りし難くなり、小突いて得られる情報伝達量が少なくなります。また、仕掛けが流されやすくなることで隣の方とオマツリしやすくなります。特に水深が深いポイントを流す際はより顕著になります。
底取りが出来ないだけであれば自分が釣れないだけなので問題ありませんがオマツリは他の方の釣りを邪魔することになります。ラインの太さに合わせたオモリを付ければ解消できるので回りの方のラインの傾きと自分のラインの傾きを見ながらオモリの号数を変えて対応する必要があります。
これはタコ釣りに限らず船釣り全般に言えることですね。
オモリを重くすると小突く際の疲労が蓄積しやすくなり、集中力の低下に繋がる可能性があります。
1日誘い続ける上で集中力の維持は重要な要素となります。集中力が低下すると誘いが雑になる、タコの乗りを見逃す、根掛かり増とろくなことがありません。
②根掛かり時の仕掛け切断にかかるロスタイム増
東京湾では根回りポイントが多く存在し、根掛かりは避けて通れない道です。どうやっても外れない場合は仕掛けを切る必要がありますが、ロッドをラインと直線にして引っ張って切ろうとした場合、ドラグ力によっては切れずにラインがズルズルと出ていくことがあります。そんな時は一度ベイトリールのクラッチを切る(スピニングの場合はベールを返す)ことでラインをフリーにしてからPEラインを木の棒やパイプに巻き付けて手で引っ張って切ります。慣れている方はスムーズに出来ますが慣れていない方は結構あたふたしている様子が見受けられます。
また、巻き付けた際にPEラインに傷がついて次の根掛かりでPE高切れという光景を何度も目撃しています。
タコマンションやタコパラダイスなど、当たりポイントを通過している時はいかにロスタイムを無くしてエギを水中に置いておけるかが釣果を伸ばす運命の分かれ道になります。
ラインの選定について必要なことは
・合わせ切れしない強度を保持していること。
・根掛かり時にドラグが出るか出ないかギリギリのところでラインが切れること。
・切れる場所はスナップとの結び目
これらを踏まえて辿り着いた答えが冒頭のラインチョイスでした。
PEラインとリーダーの結束はFGノットで結んでいました。
巻き数は20+12+6
これでPE側の結束強度は直線強度の80~90%(48Lb~54Lb)になります。
リーダーの直線強度と同等か若干多い程度です。
※2023年夏により結束強度の強いノットを見つけたので現在はこちらを採用しています。
SCノットにハーフピッチ4+4で補強しています。
リーダーは初期結束時で1.5mとしています。
次にスナップへはクリンチノットで結束しています。
クリンチノットの結束強度が直線強度の60~70%として
結束部の実強度は29Lb~34Lb
kg換算すると13.2kg~15.4kg
リールのドラグが最大9kgなので計算上はこれでもズルズルとラインが出て行く計算になります。
しかし、ラインは様々な要因で劣化します。
主な劣化要因として
・物理的な摩耗(ガイドとの摩擦、水中障害物との接触、固形物(塩、海中浮遊物質)との摩擦
・重量負荷に伴う伸長
・熱、紫外線による劣化
はじめはリーダー10号でやってみましたが、思いのほか早く切れてしまったため12号に変えたところ、ドラグが効くか効かないかのところでスナップとの結束部が切れるようになりました。ドラグが若干滑ってもスプールを指で押さえながら引っ張れば切れます。
同じリールを使用されている方はぜひお試しください。
使用回数が増えると劣化が進んで切れやすくなります。1つの基準として4回釣行もしくはリーダー長さが50cm以下になったら新しいリーダーに交換しています。ガリガリ場を流していると1時間もしないうちにスナップ付近のリーダーがささくれてきますので見つけたら該当箇所を切って結び直しています。
PEラインについても使用回数を重ねると微細な傷や毛羽立ちが出てきますので発見したらその部分まで切って結び直しています。
ラインの強度は同じ号数表記であってもメーカー、品番によって直線強力が異なります。直線強力の表記も平均強力、最大強力とメーカーによってバラバラです。そのあたりも加味して使用しているリールのドラグ力と相談しながら最適なラインを見つけてください。
最後に、4~6号PE直結について、平場でしかやらない前提であれば問題ないと考えていましたが、以下の理由から考えを改めました。
・PEラインの特性上、根ズレに極めて弱くスナップ近辺の耐久性を維持し難い。
・ドラグ力を超える負荷がかかるため根掛かり時の処理に時間が掛かる。
・スナップ結束部とのライン強度差が小さいため高切れのリスク増
・オマツリ時の糸外しが困難(NEW)
ガリガリ場を流しているとエギが高切れしたPE(+エギ)を拾って上がってくることがあります。自分が釣り上げた範囲ではPE直結の割合が7~8割でした。なまじ強度があるがゆえ、引っかかったエギをブチ切って海中に引きずりこむこともあります。釣り場の環境破壊だけでなく、他の誰かのエギの損失、ゴミの蓄積に繋がります。
あと上がってきたPEラインやエギはその場で捨てずに持って帰ってラインは可燃ごみ、エギは不燃ごみで捨てましょう。たまにその場や移動中に海へ放り込む方がいます。
絶対にやめましょう。
また、PEラインは張りがありません。
そのため、クニャクニャと針に絡みつき、直結の方とオマツリしてエギのフックにPEが絡むと外すのに一苦労します。
特にイカエギや浮きスッテを使っている方
地獄絡みしてラインを外せなくなることもあります。
このことから、PE直結はトラブル発生時に他人の釣りを邪魔をする
迷惑行為
でしかないと考えています。
PEとリーダーの結束が出来ない方はPEにサルカンを直結し、その先にリーダーを50cm程度付けるという方法でもかまいません、
水中に残す難分解性有機物の量を減らすためにも
必ずリーダーを入れてください。
PE直結でも良いとの賜っている業界人について。
業界人であってもそこまで考えていない方、目先の利益しか見えていない方、様々です。
一度情報、現状を深堀し、今の釣りを継続するために何が最善か検討して頂きたいと考えています。
法整備なり協定で現状の釣りが出来なくなってしまっては元も子もありません。
日本は法治国家です。
個人の情など御上は知ったことではありません。
火の無い所に煙は立たないということを意識して情報発信して頂くことを強く願います。