季節は、立冬を迎えました。

 

みなさまいかがお過ごしですか?

 

先日、森を歩いていると、こんなものをみつけました↓

オオスズメバチ Vespa mandarinia の亡骸

 

スズメバチたちの饗宴も、終わりを迎えたのでしょう。

 

暑い夏はいつの日か過ぎ去り、冬の寒さがそこまで来ています。

 

彼女らの死は、自然のリズムの一部。

 

時が来れば、誰にも死は訪れます。

 

でも、それは平等にはやってきません。

 

同じ森では、こんな光景も目にしました。

チャノキの花で食事をするケヒラタアブ Syrphus torvus.

2.Ⅺ.2023. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

暖を求めて移動してきたであろうケヒラタアブが、お茶の花の上で黙々と食事をしていました。

 

彼女たちは、なぜその場に留まらないのでしょう?

 

冬にむざむざと殺されることに、抵抗しているのでしょうか?

 

私は、こう思いました。

 

―それはある種、生命への執着なのではないか。

 

地球を舞台にした、生き物の「渡り」という現象。

 

その起源は、生命を奪う自然に対する、生きものたちの「抗い」なのではなかろうか。

 

死という予定された運命への、いくつもの抵抗が、何万年も繰り返されてきた結果、壮大な旅が生まれたのではないか―

 

残念ながら、私の短い一生では、その全体像を掴むことは難しいかもしれません。

 

でも、少しずつでも、その片鱗を集めていきたいと思います。

 

死の裏側に、生きものたちの旅が見え隠れします。