ずっと前から温めてきた願いに、「図鑑を作りたい」という思いがありました。

 

日本には、ハエやハナアブについて一般の人が理解を深められるような図鑑がない。

 

こんなにも面白く、カワイイ生き物なのに、図鑑がないのではハエやハナアブの魅力が伝わらないではないか!!

 

そんな気持ちから、何年もかけて、あれこれ写真を撮り、勉強もし、研究会にも入って気分を盛り上げてきました。

 

最近になって、「ハエのハンドブックは、どうも誰かが出版するらしい」という噂が聞こえてきたので、方針転換。

 

誰もが見る機会が多い「花」。その花に来る愛らしいハエ、「ハナアブ」にフォーカスしよう。

 

そう思い、本格的なハナアブの撮影を始めました。

 

コウゾリナの花に飛来するオオオビヒラタアブの雌。春と秋に多く見られるハナアブ。

 

あまりマニアックな種類ではなく、どこにでもいて、誰でもが見られるものを載せるのが目標です。

 

ハエ屋の中では比較的メジャーなハナアブですが、他のハエと同じで種が確定できないこともしばしば。

 

冬になるまではフィールドが中心ですが、同時に文献も集めないと、肝心の「種」がわかりません。

 

愛らしいハナアブですが、これまで図鑑化されてこなかったのは、分類学の素養が必要だったことも理由かもしれませんね。

 

まだまだ道半ば、くじけそうなことも時々ありますが、自分にしかできないこと、極めたいです。

 

取材中に出会った謎のハナアブの幼虫。

 

非常に平べったく、海に棲むヒラムシのよう。

どんな成虫になるのか、とても楽しみ♪

 

偶然の出会いも、大切にしていきたいです。