先日、とある田園地帯を調査していたところ、草むらのそばをホバリングをしている小さなハエに出会いました。

 

ホバリングしながら、一瞬、すばやく動いたあと、ハエは葉に止まりました。

 

よく見ると何かを持っています。

ノミバエの一種を捕食するヒロバセダカバエの一種 Syneces sp.

14.Ⅵ.2023. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

これを見て私はニヤリとし、『すばやく飛び回るノミバエを捕まえるなんて、たいした腕を持っているな!』と感心。

 

コバエを捕食するハエを見せられても、なお「ハエは不潔!害があるだけで役に立たない!」なんて言っている人がいたら、人間はものすごくマヌケな生き物でしょう。

 

自然界には腐った物を好むハエがいる一方で、そんなハエを食べる捕食性のハエも少なくありません。

 

すべて一緒くたにして、一概に、すべての虫、すべてのハエがダメなんて言っていたら、神様が用意していた素晴らしいお宝を、宝箱ごとドブに捨てるようなもの。

 

ハエは人間の「無関心」によって、研究が遅れているだけで、本当はとっても面白く魅力的な生きものなのです。

 

私は常々、それを世の中の人に、もっと広めたい、分かってもらいたいと思っています。

 

小さくて地味なハエでも、こうして光を当ててみるだけで途端に輝き出すのです。

 

どんな些細なことにだって、喜びや幸せが隠されている。

 

もし、あなたが「自分はダメ」「地味で何も持っていない」なんて思っているなら、聞いてください。

 

あなたは、まだ、隠された本当の自分を知らない。

 

いつも愚痴ばかり言っている口、自分をけなしてばかりいる思考を、一度、ゼロにしてみてください。

 

人生の本当の愉しみは、雑言や雑念の中に見つかるものではありません。

 

同じように、生きものを観る時には、その生きものに対する知識や感情を外すべきです。

 

純粋な眼、澄み切った思考で生きものを観れば、これまでに気が付かなかった真理に気がつきます。

 

吹けば飛ぶような、ゴミのような小さな生きものにも宿る「命」。

 

その小さな命に、誰もが気付き、誰もが驚くようになれば、世の中はもっともっとマシになる。

 

そう信じています。