いつの間にか立秋を過ぎ、朝晩は過ごしやすい季節となりました。

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

この夏は、子供の夏休みに合わせて少し長めの休日を頂き、毎日子供たちと過ごしました。

 

プールに川遊び、花火に流しそうめん。

 

コロナ渦だって、楽しめることはいろいろあります。

 

忘れられない思い出と、いうよりも色々な、鮮やかな体験を通して、感性を育んでもらいたいものです。

 

 

さて、そんな休みの最終日は、待ちに待った「採集日」!(笑)

 

子守を頑張ったごほうびに、単独で、いつもの山へ行ってきました。

 

日中は暑いので、1,500メートルを超える涼しいところまで、GO!!

 

まず出迎えてくれたのは、車にたかる無数のアブたちです。

ウシアブ Tabanus trigonus. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

路肩に車を停めると、赤や黄色、大きいのや小さいの、さまざまな種の無数のアブが、車に寄ってきます。

 

車の放出する熱や二酸化炭素に引き寄せられて来るものです。

 

これは車をシカやウシなどの大型の動物だと勘違いしているから。

 

アブを観察するときは長袖の衣服で肌の露出を少なくし、体に止まられないように気をつけていれば、あまり怖いものでもありません。

 

今回も、心ゆくまでアブたちを観察・採集できました(^-^)

 

ショウジョウクロバエ Dexopollenia flava. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

高原にはヒヨドリバナをはじめ、秋の花々が咲き始めていました。

 

花は蝶やハチ、もちろんハエにとっても重要な食事処。

 

写真のクロバエの他にも種々のハナアブやコバエたちがいました。

 

林道脇の笹藪にも無数のハエが隠れています↓

セダカバエの仲間 Hybotidae sp. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

セダカバエ類は捕食性の小さなハエの仲間ですが、盛り上がった背中(胸背)と大きな目がチャームポイント。

 

道ばたの草の葉に静止しているのをよく見ました。

 

ノミバエの仲間 Phoridae sp. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

この時期の高原には、私が気に入っている黒くて大きいノミバエがいます。

 

普段、動きが速くてなかなかカメラで捉えられないノミバエですが、今回は虫のフンに来ているものをうまく撮影できました。

 

この艶のない漆黒のボディ。シブすぎです。

 

ヤドリバエの仲間 Tachinidae sp. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

種類数の多いヤドリバエの仲間。

 

林道を100メートルほど歩く間に、軽く10種類は観察できました。

 

どれもそれぞれに違う種、違う寄生相手がいるのでしょう。

 

どんなハエがどんな虫に寄生するのか、想像するだけでも楽しくて、お尻のあたりがムズムズします(いいわ~)。

 

フンバエの仲間 Scathophagidae sp. 17..2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

山に住むやや大型のフンバエ(キアシフンバエ?)かと思いましたがどうやらヒメフンバエの大きい個体のようです。

 

フンバエはおっとりしているように見えて立派な捕食者。

 

サンプル管に別のハエと一緒にして持ち帰ったところ、別のハエが捕食されてしまいました(あちゃー)

 

次からは気をつけます(反省)。

 

ホソムシヒキアブの仲間 Leptogastrinae. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

草丈1m程の笹原の中を飛び回り、小昆虫を捕食する小型のムシヒキアブ。

 

草むらの中を飛び回りながら、長い脚ですくい取るようにして小虫を捕まえます。

 

まさに可憐な妖精。笹原のジプシー。

 

生態写真は撮れなかったですが、複数の標本を採集できました。

 

ホソムシヒキ類は日本産種について未確定な部分が多く、今後の研究に生かすための貴重な標本になります。

 

アタマアブの仲間 Pipunculidae sp. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

頭部のほとんどが複眼で構成されているアタマアブの仲間。

 

すごく久しぶりに採集しました。

 

アタマアブの仲間も他の虫に寄生するハエのひとつで、主にウンカやハゴロモ類に寄生します。

 

この寄生種はいったい、どんな生態を持っているのか、まずは標本を作り種を調べるところから始めます。

 

 

 

夢中で草むらや地面を凝視し、ハエを見つけ、写真を撮り、サンプルを採集し、フィールドノートに記録を取る。

 

「あっ」と言ったり、「おー、君もいたか」と呟いたり、時折、可憐な蝶を見ては目を和ませたり。

 

アサギマダラ Parantica sita. 17.Ⅷ.2020. Ina-valley. Natgano. Japan.

 

昼を過ぎ、広場で食事を取っていると、黒く焦げた木が数本、くさむらから突き出ているのに気がつきました。

 

高原のキャンプ場の一角で、キャンプファイアーをした名残でした。

 

今から26年前。当時、小学生だった私も、学校行事のキャンプで、夜、この場所で同級生たちとフラダンスを踊っていたっけ・・・

 

あの時、好きだった女の子と踊るの、緊張したな・・・

 

当時の情景を思い浮かべていると、ふと、爽やかな高原の風が吹き抜けました。

 

スッと、肩の力が抜け、「もっと、楽しいことが待っているよ」と、誰かがささやいたようでした。

 

「楽しいところへ行かないとな。俺も・・・。」

 

高原の優しい風に、心が満たされてゆきました。