先日、SNSのニュースで「昆虫が近いうちに全滅する」といったショッキングなタイトルを目にしました。

 

昆虫をかじっている身としては「んな馬鹿な話があるか!」と思いましたが、よくよく調べると「現在の昆虫の減少傾向からすると、近いうちに昆虫の種類が1/3程度になってしまう恐れがある」といった警告でした。

 

昆虫は4億年生きてきたのに対し、人はせいぜい500万年。

 

今まで度重なる大量絶滅を生き延びてきた動物群がそうそう簡単に全滅などするわけはありません(その前に人間が滅んでいます)。

 

ですが、現在の地球環境の変化の速度、とりわけ種の絶滅するスピードは、かつて生物種が経験した「大量絶滅」に匹敵するものだとする報告もあります。

 

人類が地球環境に及ぼしている影響は計り知れないのです。

 

各地で、頭のいい人たちがいろいろな取り組みをやっています。

 

行政も法律を後ろ盾に様々な取り組みをやっていますが、民間でも、個人でも、できることはあるはずです。

 

地球環境を身近に感じ、生物種を慈しむ心を一人一人が持てば、種の絶滅はもっと穏やかになるはずです!!

 

そのための情報発信もやっていきたいですね!!(使命感)

 

さて現在、そんな「普及啓発」の意味を込めて、「ハエハンドブック(仮)」を作成しています。

 

多く一般の人がハエに親しんでもえるよう、ハエ(双翅目)がどれほどの多様性を持っているか、その多様性に―楽しく―触れる機会を提供できたらなと考え中です。

 

ハンドブックを作るための勉強と並行して、手持ちの標本の整理も行っています。

 

ここ最近は有弁類に戻って、科の振り分けを行いました。

 

イエバエ科の標本たち。

 

こちらもイエバエ科(5mmに満たない小型のもの)。

 

イエバエ科は日本でも250種ほどが確認されている大群です。

 

衛生害虫としての研究は進んでいますが、それ以外の「無害な」種については、多くのことがわかっていません。

 

肝心の「種の同定」については、文献も多く調べやすいかと思いきや、なかなか難しいのが正直なところ。

 

専門家やハイアマチュアの方々も難儀するものがごろごろしているようです。

 

そんなときは「将棋崩し」。

 

わかりやすい形質をもつものから覚えていくのに限ります。

 

最近、手元の標本を整理していて面白いイエバエを発見しました↓

イエバエ科カトリバエ属 Muscidae Lispe sp. 4.Ⅷ.2018. Lake-Suwa. Suwa city. Nagano.Japan.

 

口元の部分にご注目ください。

しゃもじのような変わった構造があります。

 

この変わった構造は、口器、つまり口の一部で「小顎髭(しょうがんしゅ)」とよばれます。

 

この小顎髭がしゃもじ状になるのは、イエバエ科の中ではカトリバエの仲間(Lispe sp.)だけがもつ特徴なのです。

 

カトリバエの仲間は水辺に住み、その名のとおり蚊やユスリカを捕食します。

 

その幼虫はイエバエ科の中では珍しく、水生です(東海大学出版の「日本産水生昆虫」に解説があります)。

 

ただ、日本のカトリバエ属14種のうち、生態がわかっているものは数種類だけで、それも断片的とのこと。(フーム、調べ甲斐があります・・・!)

 

カトリバエ属の特徴である「しゃもじ」についても、その機能などを解説したものは見当たらないため、よくわかっていないのでしょう。

 

(標本を観察して思うのは、しゃもじが「やけに目立つ色をしている」ということ。おそらく、繁殖行動などの社会的行動に用いられているのではないか、と推測しています。)

 

上の標本は長野県の中ほどにある諏訪湖の水辺で採取したものですが、当時はハエの採取で忙しく、行動までをじっくり観察することはできませんでした。

 

今度、カトリバエに出会ったら、その行動をじっくり観察してみたい!!今後のお楽しみです♪

 

イエバエ科も、まだまだ勉強を始めたばかり。

 

まだまだ未知の、面白い種が標本箱や、フィールドにいるのは確実ですっ!!

 

「知りたい欲」が、抑えられませんぞ!!!