野外であれラボ内であれ、生き物の観察には2通りあると思います。
ひとつは「発見型」の観察。
これは日常の観察で、出会った種類や観察した出来事を網羅的に記録するやり方。
研究というよりは観察と記録に留まってしまうことが多いですが、新しい発見や仮説につながるため、非常に重要。これをないがしろにしては自然科学は深まりません。
もう一つは「仮説検証型」の観察
これは、日常の観察や文献からの知識をもとに、仮説を立て、それのみを検証するための見方。
見る対象が絞られるので、時間や労力を節約でき、時間がなくても研究はしたい私には、必要な見方でしょう。
ただ、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。
熱中しすぎはド壺にはまるのがオチ。
観察には両者のバランスが大切だと思う今日この頃です。
さて、ヒメマルカツオブシムシですが、ただ飼っているだけではつまらないので、実験をしてみました。題して「ヒメマルカツオブシムシ幼虫の餌嗜好性実験」。
何のことはない、どんな餌が好きか、いろいろな物で試してみたというものです。
飼っている幼虫5匹をやや広めな容器に入れ、鰹節、パスタ、羽毛、煮干しを置き、どの餌にくっついているか、毎日記録しました。
結果はこちら↓
これを見ると、ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、和名のとおり鰹節がお好きなようです。
しかし、時には羽毛も食しており、場合によってはダウンジャケットの中身を食われたりすることもあるかもしれません。
なんとも強かではありませんか。
(羽毛を食っているヒメマルカツオブシムシ幼虫)