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Dark side of the moon

どこにでもある意味の恒久的不在

台風の裂け目から張りだした閃光

正面のカサが高まり有形の減少が指導上に問題を提起する

砂をかむ咀嚼する牛の群れがほほ笑むとき

空にはターコイズブルーの夢がばらまかれ

損益の計算をずるい僕は君のことなんか忘れてるふりして

けれども揺れている証明の関係を失われて爽快な晴れのち曇り


霊長類最小の希望を外科医に診察されて

斜線に突きささる心も模様が網膜に照射されて勝利投手の歓迎

新記録を更新する新幹線の紋切り型の適当な自動的な挨拶


君が透かれている少年の至近距離からの砲撃

膜の中に潜む暗くて優美な転がるような誘惑真剣に僕は語っているのか

自己満足の中心に鎮座する聖堂の朱里


負けていることに気が付いたら自転車は破壊される

スピンする横隔膜の不思議な堅想を突き抜けて容器に振る舞い

そんなことは無理なこと私は肯定を信じて否定を揺さぶる


忘れてはいないし、思いだすこともない地下に潜る灰色の階段

青いものは赤いという宣言の元になる根拠は森が燃えている

反抗することなく連行される運命の会期


論調の自慢になることに避けたがる相似形の兄弟は

叫ぶこともあれば忘れることもあり、白い時期の憂鬱は

重ねて銀行に保険をかけて問題を


君なんて僕には見えない駒に そうしていくことの意味はなく

独力の引導散漫な放物線 解雇する上演



ねがわくばばくちうちになりたい

月の明るい部分に私の片目を賭けて

そのひぐらしに ながされてみたい


ねがわくばばくちうちになりたい

光の欠けた 水晶玉と私の小指をかけて

たそがれどきに まどろんでいたい


ねがわくばばくちうちになりたい

君の秘密にしているものに 私のすべてをかけて

あさのしろいひかりのなかで すこしむなしく

負けた苦みを ゆっくり飲み込んでいたい



雲が光を遮って

水晶はすっかり濁ってしまった


すべてが朽ちていくそのなかで

すべてを閉ざして行くことで

一番柔らかい部分は守られる


弄した言葉はすべてまやかしで

憎しみとなって戻ってくる


瞳のなかのその冷たい光は

すべての報い


もう何も術は残されていない

傷口はいつか塞がり皮膚に残った

一筋の引き攣れとなり

それ以上でもそれ以下でもなくなるだろう


そのとき私は何を思うのか

そうして少しずつ 孤独に親しんでいく

木屋町を3本か4本下ルの西入ルところの

真ん中あたりの1階に

間口の狭い建物の奥に進むと

やたらと重いドアがあり

酔った身体の重みに任せてドアをあけると

はじき返されそうな音楽が溢れてきて

小さなカウンターと丸っこいテーブルが

いくつか並んだ酒場があった


そこである夜、女の子と知り合って

その女の子は一条通りを少し上がったところの

やけに白いマンションの2階の一番奥の部屋

206号に住んでいた


僕はラフロイグを飲み続け

彼女は黒ビールを飲み続け

なんだかたわいのない話で笑い転げて

気がつくと二人ともへべれけになっていた


タクシーをつかまえて

彼女を送ってもつれるように転がるように

彼女の部屋に入った

よくわからないまま、二人とも

もつれあったままベッドに飛び込んで

ただ、服を脱ぐのも面倒なくらい酔っていて

気がつくと次の朝だった


彼女の顔や名前はどうしても思い出せないけれど

彼女の部屋の玄関の

靴ベラの色がまぶしいくらいのオレンジで


ただそのことだけを覚えている




ずっと踊っていたいのです

夜が枯れるまで

寒々しい月のあかりの下で

硬い靴音をひとりで響かせていたいのです


ただ自分の息遣いと

途切れることのない鼓動を

白んでいく空の果てを見るまで

ずっと踊っていたいのです


何一つ良いことが起らなくても

額ににじむ汗を 頬切るような鋭利な風を

ただひたすらに感じていたいのです


何か意味があるのかと問われても

そんな質問にまるで意味がなくなるように

踊る自分の影をなだめてやりたいのです


簡単にやってくる朝は実は嘘で

身を透くような朝の陽ざしをずっと待っていたいのです

たとえそれがまやかしでも 裏切りであっても

白けた嘘の光のなかで

ただ踊り続けていたいのです


私を私に保形しているものはあなたであってあなたでない

私を私にしているものはまぎれもない私


白い息を吐きながら 星が呆れ果てるまで

私は踊り続けていたいのです