Dark side of the moon -4ページ目
君がくれた甘いキャンディ
空が透けそうな丸いキャンディ
奥歯で噛みつぶしたら
ぱっと夏がはじけた
海が見える長い坂道で
白い日傘に長い髪がなびく
通り過ぎるときにしなやかな首筋を
盗み見たよ
空っぽのタンデム照りつける日差しに
汗を飛ばしてペダルを踏めば
笑われたってかまわない
ただまっすぐにどこまでも走って行くよ
君がくれた甘いキャンディ
水面のように光る綺麗なキャンディ
舌の上で転がしてたら
そっと恋に気づいた
夜の祭りの人の波間に
白いワンピースの後ろ姿を
花火の匂いをかき分けながら
探したよ
空っぽのタンデム澄ました月明かり
風をきってペダルを踏んで
汚れたってかまわない
君を乗せてずっと走っていくよ
捕まえ損ねた金魚たち 夏の夜は夢見がち
回る風車 めぐる星が 夜空にまばたいて
空っぽのタンデム澄ました月明かり
風をきってペダルを踏んで
汚れたってかまわない
君を乗せてずっと走っていくよ
散らかった君のかけらを
全部きれいにかきあつめた
僕の大好きなみみたぶは
そっと銀の小箱に隠した
真夏の白いシャツが
夕暮れの色に染まるのを待って
夜の隙間に引きずりこんだ
いつまでも追いかけてくる
銀の月を振り切って
君の好きだった丘に駆け上がろう
そして二人だけの世界を見降ろそう
はしゃぎ疲れた君の顔
そっと目を閉じて口づけた
冷たい頬をすりよせて
きっと同じ夢を見ていた
涙の味はいつも
塩辛いとは限らないことを
君は僕に教えてくれた
いつまでも追いかけてくる
銀の月を振り切って
君の好きだった丘に駆け上がろう
そして二人だけの世界を見降ろそう
どこまでも広がっていく
光の渦を泳ぎ切り
君の好きだった丘に駆け上がろう
もう何も邪魔するものはない
すこし急ごう 雨雲が近づいている
雨に濡れる前に 雷に怯える前に
僕たちは 家にたどりつかなくちゃいけない
手も足も もうバラバラで
息も途切れ途切れに乱れている
すこし急ごう 雨の匂いが漂っている
風に凍える前に 泥濘に転ぶ前に
僕たちは 家にたどりつかなくちゃいけない
身体のあちこちが 痛み始め
僕も 君も言葉を交わすこともない
先に進む僕の身勝手に君は辟易として
遅れてゆく君の視線を背中にうけて
僕はうんざりとしている
すこし急ごう 空は夜のように暗い
雨にぬれる前に 雷に怯える前に
家にたどりついても 何一ついいことはないのに
すこし急ごう 雨が降り始めた
土砂降りになる前に 手遅れになる前に
家にたどりついても もう何も良い予感もないのに
浅い眠りのなかで
くり返す昨日の夢の反芻
紫陽花が 打ちつける雨粒に
窓硝子に滲んでいた
飛沫を上げて追い越して行く
黒い車の列
空に向かって延びるビルは
靄に霞んで 消えそうで
夏の気配に目を覚まし
こぼれた光を手繰り寄せ
覗きこんだ隙間から
見える景色は 鉛色の季節
這い出るために袖を通したシャツには
気だるい女の匂いがしみついて
繰り返し 耳元でぬくもりのない
言葉を囁く
傘もささずに歩いて行くと
粘るようにまとわりつく6月の雨
湿っていく皮膚に思いだす白くて冷たい肌
目覚めたはずなのに
繰り返される ひとりごとのような空想
海にも雨は降っているのに
誰も気がつくことはない
君の見ている空は
僕の見ている空よりも
ずっと青い
君の目覚める朝は
僕が迎える朝よりも
きっと眩しい
2つでいると少しさびしくて
一つになると少し退屈
なんて僕らは天邪鬼なんだろう
僕の唄う歌で
君は踊れないかもしれない
けれども
僕の語る夢は
君の夢とは違ってるけど
いつかは
2つでいると少し物足りなくて
一つになると少し空しくて
僕らはなんでいつもこうなんだろう
重なりあう時間はとても短く
悲しみはすぐにやってくる
しっかりと結んだ繋ぎ目を
ほどかないように 転がっていく
奪われるものなんて何一つない
いつも無くしてしまうのは
僕たちが忘れっぽいだけ
大切なことは何度もメモをとって

