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Dark side of the moon

どこにでもある意味の恒久的不在

君がくれた甘いキャンディ

空が透けそうな丸いキャンディ

奥歯で噛みつぶしたら

ぱっと夏がはじけた


海が見える長い坂道で

白い日傘に長い髪がなびく

通り過ぎるときにしなやかな首筋を

盗み見たよ


空っぽのタンデム照りつける日差しに

汗を飛ばしてペダルを踏めば

笑われたってかまわない

ただまっすぐにどこまでも走って行くよ


君がくれた甘いキャンディ

水面のように光る綺麗なキャンディ

舌の上で転がしてたら

そっと恋に気づいた


夜の祭りの人の波間に

白いワンピースの後ろ姿を

花火の匂いをかき分けながら

探したよ


空っぽのタンデム澄ました月明かり

風をきってペダルを踏んで

汚れたってかまわない

君を乗せてずっと走っていくよ


捕まえ損ねた金魚たち 夏の夜は夢見がち

回る風車 めぐる星が 夜空にまばたいて


空っぽのタンデム澄ました月明かり

風をきってペダルを踏んで

汚れたってかまわない

君を乗せてずっと走っていくよ






散らかった君のかけらを

全部きれいにかきあつめた


僕の大好きなみみたぶは

そっと銀の小箱に隠した


真夏の白いシャツが

夕暮れの色に染まるのを待って

夜の隙間に引きずりこんだ


いつまでも追いかけてくる

銀の月を振り切って

君の好きだった丘に駆け上がろう

そして二人だけの世界を見降ろそう


はしゃぎ疲れた君の顔

そっと目を閉じて口づけた


冷たい頬をすりよせて

きっと同じ夢を見ていた


涙の味はいつも

塩辛いとは限らないことを

君は僕に教えてくれた


いつまでも追いかけてくる

銀の月を振り切って

君の好きだった丘に駆け上がろう

そして二人だけの世界を見降ろそう


どこまでも広がっていく

光の渦を泳ぎ切り

君の好きだった丘に駆け上がろう

もう何も邪魔するものはない




すこし急ごう 雨雲が近づいている

雨に濡れる前に 雷に怯える前に

僕たちは 家にたどりつかなくちゃいけない


手も足も もうバラバラで

息も途切れ途切れに乱れている


すこし急ごう 雨の匂いが漂っている

風に凍える前に 泥濘に転ぶ前に

僕たちは 家にたどりつかなくちゃいけない


身体のあちこちが 痛み始め

僕も 君も言葉を交わすこともない


先に進む僕の身勝手に君は辟易として

遅れてゆく君の視線を背中にうけて

僕はうんざりとしている


すこし急ごう 空は夜のように暗い

雨にぬれる前に 雷に怯える前に

家にたどりついても 何一ついいことはないのに


すこし急ごう 雨が降り始めた

土砂降りになる前に 手遅れになる前に

家にたどりついても もう何も良い予感もないのに



浅い眠りのなかで

くり返す昨日の夢の反芻

紫陽花が 打ちつける雨粒に

窓硝子に滲んでいた


飛沫を上げて追い越して行く

黒い車の列

空に向かって延びるビルは

靄に霞んで 消えそうで


夏の気配に目を覚まし

こぼれた光を手繰り寄せ

覗きこんだ隙間から

見える景色は 鉛色の季節


這い出るために袖を通したシャツには

気だるい女の匂いがしみついて

繰り返し 耳元でぬくもりのない

言葉を囁く


傘もささずに歩いて行くと

粘るようにまとわりつく6月の雨

湿っていく皮膚に思いだす白くて冷たい肌


目覚めたはずなのに

繰り返される ひとりごとのような空想

海にも雨は降っているのに

誰も気がつくことはない



君の見ている空は

僕の見ている空よりも

ずっと青い


君の目覚める朝は

僕が迎える朝よりも

きっと眩しい


2つでいると少しさびしくて

一つになると少し退屈

なんて僕らは天邪鬼なんだろう


僕の唄う歌で

君は踊れないかもしれない

けれども


僕の語る夢は

君の夢とは違ってるけど

いつかは


2つでいると少し物足りなくて

一つになると少し空しくて

僕らはなんでいつもこうなんだろう


重なりあう時間はとても短く

悲しみはすぐにやってくる

しっかりと結んだ繋ぎ目を

ほどかないように 転がっていく


奪われるものなんて何一つない

いつも無くしてしまうのは

僕たちが忘れっぽいだけ

大切なことは何度もメモをとって