“Thank you, father.″ | 雨にぬれても☂

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~雨の日には 雨の中を~

 

 

雨に濡れても☂

父の日によせて

・・・

 

  "Thank you father."

 

 唇を奪えず 

  

 

 

22歳の別れ 

~ 

それは 永遠の別れ

 

  

 

 

父の若き日の話です。

 

亡くなる前 

 

父から一度だけ

 

女性の話を

 

聞いたことが有ります。

 

 

 

  

ある日記に

 

「押し花にされた四つ葉のクローバー」

 

 

「白帽の写真」

 

 

茶色の封筒から零れました。

 

当時 看護婦さんと 

 

交際していたようで 

 

完全な 

 

プラトニックラブ 

 

のようでした。

 

 

 

 

 彼女の就職先が東京の 

 

ある病院に決まってから 

 

同じ街から 去る彼女への

 

未練は 計り知れなかった。

 

 

 

  

お守りに 

 

渡そうとしていたようで 

 

四つ葉のクローバーの台紙の

 

和紙の 裏側には

 

 KI MI WO WA SU RE NA I 

 

 

書かれていました。

 

  

 

 

彼女への憧れは強く。

 

可憐な彼女を 

 

侵してはいけないくらい。

 

父は彼女を守り

 

将来を 

 

共にしたかったようです。

 

 

 

  

彼女は東京の

 

病院への 憧れが強く 

 

この街から離れて

 

 自分の将来の夢を

 

追いかけたい気持ちで 

 

いっぱいだったようです。

 

  

 

 

父は

 

先の見えない恋の 

 

終止符を選択しました。

 

 

 

  

最後のデートの時 

 

その 

 

クローバー

 

 

渡そうか悩んで 

 

渡すことによって

 

 彼女への負担を

 

賭けることは自制して

 

渡さずにいたそうです。

 

 

 

  

「好きだからこそ」

 

・・・と その意味は 

 

僕には分かりません。

  

 

 

 

そんな 22歳の 

 

父と彼女にとっては 

 

お互いの人生の

 

 分岐点を迎えて・・

 

  

 

 

諦めるからには 

 

後は振り向かない。

 

その後 

 

再会はなかったそうです。

 

  

 

 

父は 

 

彼女の唇さえ 

 

触れることも出来ず 

 

その魅惑的な 

 

彼女の唇の笑みだけを 

 

心にしまって 

 

その後の40年を 

 

過ごしてきた

 

のだと思うと・・・ 

 

 

  

 

僕からすれば

 

 後悔はなかったのか? 

 

・・・と

 

聞きたいくらいでした。

 

 

 

  

父の目頭が 赤く熱く

 

こんな話をしてくれたのは

 

最初で最後でした。

 

母には内緒で・・・

 

  

 

 

クローゼットの 

 

段ボール箱には

 

まだ 

 

開封されない たくさんの

 

思い出が眠っています。

 

 

 

 

 開けて読んで

 

いいものなのか?

 

そのまま 

 

眠り続けるべきか?

 

いまだに 

 

父の過去は 謎の迷宮です。

 

 

  

 

ただ なんとなく

 

 レッド・クロス

 

への

 

解き明かされない 

 

言葉が聞こえそうです。

 

 

 

・・・

 

 

今 時刻は

6/15(土)17:30

 

父への敬意は変らず

僕の胸の中にしっかり

明日への礎となっています

 

ありがとう 父さん

 

 

 

 

 

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22歳の別れ

/

 

 

postscript.

 

 

 

 

 

2024-06-16 Sena.
"Healing loneliness  

good luck to you."

2019年9月ブログを始めた時の

オーナー名:airu.でした。

その後 Sena.へ改名しました。