7.宇宙人と交信するチャンスは?

 

「宇宙人は絶対にいる!」と題して、考えています。

 

グリーンバンク方程式の「発生した生命が、知的生命にまで進化する割合」の項から、単細胞生物から多細胞生物への進化の難しさと、進化に必要な環境の維持です。

 

実際は、酸素は植物が、セッセと酸素を作ってくれるので、植物の進化も、知的生命の成立要件なのかもしれません。

 

 

 

 

私は、宇宙のどこかに知的生命がいるのではないかと、思っています。

ただ、ここまで説明してきたように、知的生命まで進化できる可能性は高くないらしいので、知的生命の数は、そんなに多くはないだろうと思いるのです。

 

 

地球でSETI(地球外知的生命探査)が始まったのは、1960年頃からです。

まだ、60年余りしか経っていません。

電波を使い始めてからも、129年しか経過していません。

地球の電波は、まだ129光年先までしか届いていないのです。

仮に、地球と全く同じタイミングで、全く同じ進化をした知的生命が居て、全く同じ時期に電波を使い始めたとしても、129光年以上離れていたら、地球外の電波を受信することができません。

 

銀河系は、約7兆立方光年の体積があります。

地球と全く同じレベルの知的生命が、130光年間隔で存在していると仮定して、銀河系内には500〜600万もの知的生命が存在している計算です。

600万もの知的生命が存在していても、通信さえ困難なのです。

 

 

 

 

上記は、あり得ないくらい特殊な条件で計算しました。

それでも、他の知的生命までの距離が遠ければ、電波が届くまで長い時間が掛かるので、相互に交信するのは厳しいことがわかります。

 

距離以外にも、問題はあります。

それは、受信のチャンスがどのくらいあるのかです。

 

 

宇宙への送信は、四六時中、送信を続けることはできません。

もちろん、生活電波は、太陽系外へも漏れていますが、その出力は小さいため、検出は容易ではありません。

 

例えば、1974年に行われたアレシボ・メッセージでは、1MWという大出力で、ヘルクレス座に向けて送信されました。

東京スカイツリーの本来の機能は電波塔ですが、発信している電波は、概ね10kW程度です。

アレシボ・メッセージは、一般的な商業電波の100倍の出力です。

受信能力が同じなら、10倍遠くまで届き、受信可能になる星の数は、1000倍になります。

 

なので、意図的に送信したメッセージ以外は、中々受信できないと思われます。

 

 

 

 

実は、人類が逆の立場に立たされていたかもと思われる事件が、あったのです。

 

1977年8月15日に、72秒間のシグナルを受け取ったことがあるのです。

「ワオ・シグナル」として知られる電波ですが、2度と受信はできませんでした。

当時のコンピュータは、大量のデータを保存できる能力がなく、受信した電波の強度を印字して残していました。

そのため、電波に信号が含まれていたのか、解析はできません。

ただ、周波数帯が、1420MHzという星間通信で使われるであろうと予想される周波数だったので、知的生命からの電波だった可能性は残ります。

 

 

アレシボ・メッセージの送信時間は、3分間だったそうです。

この3分間を逃せば、2度と受信できないわけです。

実際、アレシボ天文台からは、2度とメッセージを送信することはありませんでした。

そして、2020年にはメッセージを送信したアンテナ自体も倒壊しています。

 

 

 

 

 

もう一つ、政治的な問題があります。

 

IAU等では、宇宙人からの通信を受診しても、不用意に返信しないことを取り決めています。

相手の素性がわからない状態で、内情を返信すれば、相手に悪用されるリスクがあるためです。

 

宇宙人も、地球人を含む異星人に対して、同様の警戒をしている可能性もあります。

つまり、地球と同等、あるいは、それ以上の知的文明があっても、その存在を隠す努力をしている可能性も考えられるのです。

 

その場合、知的生命の存在を確認することは、容易ではないでしょう。

 

 

私は、天の川銀河には、複数の知的生命が存在していると思っています。

ですが、おそらく、通信でも接触することは、かなり困難だろうと思っています。

 

 

 

そうは言いつつ、生命の痕跡は、太陽系外でも見つかるだろうと思っています。

その一つが、遊離酸素の大気を持つ惑星の発見です。

その報を、楽しみにしています。

 

ただ、そんな発見があれば、またUFO論議が盛り上がるのでしょうね。

 

 

 

 

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