イランの大統領選挙は、改革派のペゼシュキアン氏が、保守強行派のジャリリ氏を破りました。

 

ペゼシュキアン氏の得票率は53.66%、ジャリリ氏は44.34%だったので、無効投票が2.00%あった計算です。

尚、投票率は49.8%だったそうです。

 

 

 

実権を握るハメネイ師は、保守強行派に分類されます。

また、ライシ前大統領も、保守強行派でした。

であれば、ペゼシュキアン氏への投票を阻止したり、何らかの圧力を掛け、保守強行派のジャリリ氏の圧勝を狙ったとしても、不思議ではありませんでした。

ですが、1回目の投票結果より決選投票の方が、ペゼシュキアン氏とジャリリ氏の差が広がっています。

 

ペゼシュキアン氏は、ハメネイ師への忠誠を誓っていますが、私が受ける印象としては、イラン国民が、自らの意思で投票したように見えます。

 

 

 

 

今年は、ロシアでも大統領選挙が行われました。

ですが、ライバル候補は立候補さえ許さず、有権者に強い圧力を掛ける等、選挙とは名ばかりの信任投票でした。

 

これに比べると、ハメネイ師が実権を握っているとは言え、少なくともロシアより民主的に選挙が行われたように見えます。

 

 

ハメネイ師は、選挙結果を受け入れています。

ジャリリ氏も、選挙結果を否定する発言は、聞こえてきません。

この点でも、民主的に見えます。

 

 

 

アメリカでも、今年は大統領選挙が行われますが、候補者のトランプ氏は、前回の大統領選挙の結果を受け入れず、連邦議会乱入を唆す演説もしています。

正直なところ、トランプ氏やその支持者の方が、民主的ではないように思えてきます。

 

 

 

日本のマスコミや政治家も、選挙結果については、疑問符が付きます。

マスコミが発表する「当選確実」を受けて、政治家は万歳を始めます。

マスコミが裏で万歳を要求しているのかもしれませんが、そうであっても、選挙管理委員会の公式の発表は無視して万歳を始めるのは、如何なものかと思います。

選挙管理委員会の開票を蔑ろにしているようにも見え、選挙の公正さに傷を付けているように思えるのです。

 

 

 

 

宗教指導者が実権を握るイランが、果たして民主的なのか、大いに疑問があります。

それでも、大統領選挙を見る限り、ロシアはもちろん、アメリカ(トランプ氏のせい)よりも民主的に見えるのです。

どうかすると、日本の国政選挙よりも民主的かもしれません。

 

日本の小選挙区制は、小ハメネイ師のような二世議員を量産しています。

これって、イランより民主的と言えるのか、冷静になって考えてみるべきではないでしょうか。