先日、イギリスの『エコノミスト』誌は、「女性の働きやすさ ランキング」を発表しました。

 

OECD加盟38国中の29ヶ国で、女性の働きやすさを10項目で評価し、ランキングしています。

発表されたのは、2023年度版です。

 

 

 

この評価を過去に遡って見てみると、2016年からの8回を通じて、上位4ヶ国と、下位4ヶ国は、それぞれ4ヶ国の中の入れ替わりしかありません。

特に、下位4ヶ国は、2023年度版で日本とトルコが入れ替わっただけで、それ以外の順位変動はありません。

これは、上位4ヶ国、中位21ヶ国、下位4ヶ国は、それぞれグループを成し、それぞれのグループ間には、大きな差があることが、推定できます。

 

ランキング自体は、日本でも数多く報道されましたが、各国のポイントはおろか、グラフさえ報じられませんでした。

ポイントを知りたい私は、超々苦手な英文でも検索しましたが、過去のグラフしか見付けられませんでした。何とか見付けたのは、2016〜2017年、2020年でした。

(英語力の驚異的な低さを露呈してしまいました)

そのグラフを見ると、いずれも、上位4ヶ国と下位4ヶ国は、中位の21ヶ国とは大きな差が見られました。

 

日本は、どこに位置するかと言うと、27位でした。

2022年までは28位でしたが、前述のようにトルコと入れ替わりました。

過去のグラフを見ると、26位との差も大きいのですが、25位と26位の差も大きいので、当分は、26〜29位で推移するだろうと思います。

 

 

 

メディアは、何でもかんでも、欧米基準で考えます。

今回も、順位を気にしています。

順位は、相対的な位置にしか価値がありません。

競争ではないので、仮に最下位でも、内容がトップと大差ないなら、問題ありません。

 

また、評価基準は、イギリスの雑誌が作ったもので、欧米人が考える基準です。

評価は、主として、男女比で算出しています。

29ヶ国中、非欧米系は、日本、韓国、トルコですが、この3国が最下位を占めています。

(発刊国であるイギリスは、19位でした)

 

欧米基準に左右されるのは、個人的には癪でもあります。

 

 

 

 

 

ところで、この29ヶ国の殺人被害者数(人口比)は、どうなっているでしょうか。

 

大方の予想通り、日本がダントツで少なくなっています。

2番目に少ないチェコの半分ほど、29ヶ国の平均の1/5ほどです。

最も多いアメリカの1/30です。

 

「女性の働きやすさ」と「殺人事件の多さ」を重要度を比較したなら、私なら「殺人事件の多さ」を重視します。

欧米人は、どちらを重視するのでしょうね。

 

 

見方を変えると、日本は、充分に治安が良いのです。

今こそ、女性の働きやすさを真剣に考えるべき時だとも、言えるのかしれません。

 

 

 

 

最後に、働きやすさとは何かを、考えておくべきかもしれません。

 

例えば、求人倍率や完全失業率で、働きやすさを考えるのも、一つだと思います。

日本では、完全失業率は、女性より男性が高目で推移しています。

日本は、女性の方が働きやすいと言えるのかもしれません。

 

あるいは、女性は、社会での就労より、子育てを選択しては駄目なのでしょうか。

欧米基準は、男女比なので、女性の社会での就労を要求しています。

その基準で社会を変えてことは、子育てを選択しにくくなっていくことになります。

生き方の選択の自由を、制限しているのかもしれないのです。

 

 

 

前述の殺人被害者数を見ても、常に欧米基準が正しいわけではないことが、分かると思います。

 

日本は、日本の基準で、判断していくべきです。

 

ただ、当面は、欧米基準を追うべきかもしれません。

そうすることで、女性の社会進出の機会が増えるのなら、方向性として正しいと思います。

その上で、選択の自由が担保されることが理想だろうと、私は考えています。

 

それを実現するためには、一人一人の能力をキチンと評価できる社会システムが、必要になってきます。

それができなければ、欧米基準である男女比を改善するため、女性の社会進出が要求されます。また、能力ではなく男女比のために、場合によっては、男性の昇進が阻害されることになりかねません。

 

 

各個人に、生き方の選択の自由はあるべきです。

自由に生きるためには、個人の評価が正しく行われなければなりません。

 

個人を正しく評価する面でも、治安と同様に、欧米を超えたいものです。