前回から、内容的には「地震を予知できているのか?」に変わっています。

目的は、偽地震予知を炙り出し、本物の地震予知を見つけ出すことにあります。

 

 

 

前回は、『成功率』では偽地震予知を炙り出すことはできないことを、確認しました。

 

今回は、地震予知の単体としての評価方法を、考えてみたいと思います。

 

 

 

体操競技では、技の難度で、評価が変わります。

 

『ウルトラC』は、当時のC難度を超える大技を表現するために、NHKの実況アナウンサーが叫んだことに由来するそうです。

現在では、C難度を軽々超えて、D難度、E難度、F難度、G難度、H難度、I難度まであるのだとか。

 

 

地震予知でも、難度はあります。

例えば、「明日、首都直下でM7以上の地震が起きる」というのと、「1年以内に、日本でM6以上の地震が起きる」では、予知を成功させる難度は、桁外れの違いがあります。

 

単純な成功率で考えると、前者の成功率が50%、後者の成功率が100%ならば、後者の方が優れていることになります。

 

ちなみに、後者は、過去100年間で外れるタイミングはないので、まぐれ当たりだけで100%になります。

ですが、成功率が50%の前者の方が、地震予知としての価値が高いことは、明らかです。

前者は、マグレ当たりの成功率は0.01%にもなりません。ほぼ確実にマグレ当たりする後者より、遥かに難しいのです。それを50%の確率で成功させるのは、後者とは別次元の難易度です。

 

成功率では、偽物の方が、本物の地震予知より優秀に見せることも、実に簡単なのです。

だから、地震予知の難度を数値化することは、大切です。

 

 

 

地震予知の対象とする地域の面積に比例して、地震の発生回数は増えます。

また、対象とする期間の長さにも比例して、地震の発生回数は増えます。

 

では、地震の規模と発生回数の関係は、どうでしょうか。

グーテンベルグ・リヒター則から、マグニチュードが1大きくなると、発生回数は概ね1/10に減るとされています。

 

これらをまとめると、地震予知の評価は、次のようにまとめることができます。

 

[評価]=10^[マグニチュード]/[面積]/[期間]

 

 

ここで、単位を明確にしておかなければ、評価の意味がありません。

SI単位系なら、面積はm2 、期間は秒ですが、これでは評価値が小さくなりすぎます。

 

例えば、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)を、実際の震源域で2011年3月11日に起きる予知していたとしても、評価値は0.0000001くらいになってしまいます。

 

そこで、期間は『日』、面積は『km2 』とすることにします。

この方が、計算もしやすくなります。

これで計算すると、前述の予知の評価値は、10000を超えます。

 

 

 

この評価方法は、当ブログで以前から用いてきた手法です。

 

簡易的に評価するなら、これでも充分だと思いますが、問題がないわけではありません。

そのあたりを含めて、偽地震予知を切り捨て、真の地震予知だけを見つけ出せるように、検討していこうと思います。

 

ただし、それは次回からとします。