日本の身分制度は、現在は皇室と平民だけです。
ただ、戦前までは、貴族を含めた華族制度がありました。
海外の貴族は、日本では公家が相当するようです。
公家は、爵位を得た公卿は142家ありました。
公家には、大きく分けて、堂上家と地下家があります。
爵位は、堂上家137家と地下家2家に与えられたようです。(数が合わない)
堂上家には、6段階の家格がありました。
・摂家 (5家)
・清華家(9家)
・大臣家(3家)
・羽林家(66家)
・名家 (28家)
・半家 (26家)
家族制度では、大名諸侯にも285爵位が与えられました。
この中には、明治維新で貢献した人物も含まれていました。
華族制度は、戦後の1947年に廃止されてました。
ところが、今の日本は、再び貴族社会へと進みつつあるように見えます。
貴族は、武力と財力で平民を支配する特権階級です。
新しい貴族は、当然、世襲制です。
何を世襲するかと言うと、政治家、特に国会議員です。
「選挙制度があるじゃないか」と言われますが、小選挙区制に加えて、低い投票率なので、テッパンの地盤を持っていれば、簡単に当選します。だから、二世議員が増えているのです。
二世議員で落選したとの話は、聞いた記憶がありません。
二世議員は、実質的に世襲なのです。
政治家は、選挙事務所等を用いて相続税を回避できるそうです。
歳費も、月額130万円くらいあります。
ボーナスも含めると、年収は2000万円を超えます。
それは、純粋に給与であり、政治活動に必要な文書交通費、立法事務費は別に支給されます。
これを含めると、4000万円に近い額になります。
これ以外に、JR無料パスもあります。
これらには、公設秘書2人分の給与は含まれません。
政党助成金も支給されます。
歳費は所得税が掛かりますが、文書交通費や立法事務費は、非課税です。
政治資金パーティーや政治献金は、非課税です。
また、政党本部や支部も、地価税が非課税になるようです。
こんなに優遇されているから、料亭で会議ができる余裕があるのでしょう。
さて、新・貴族たる国会議員ですが、爵位を与えるとすると、こんな感じでしょうか。
・複数の総理大臣経験者の家系:公爵
・総理大臣経験者の家系 :侯爵
・議長、大臣経験者の家系 :伯爵
・副大臣、長官経験者の家系 :子爵
・小選挙区10期以上の家系 :男爵
福田康夫氏や鳩山由紀夫氏は、公爵ですね。
細川氏は、侯爵に相当しますが、元々侯爵家です。
亡くなられた扇千景氏は、伯爵です。
枝野幸男氏は、男爵になれます。「ルネッサ〜ンス!」
まさか、爵位を復活させるとは思いませんが、爵位に近い権力構造に変化しつつあるように感じてしまいます。
権力が狭い血縁関係の中に集中しないように、様々な工夫が必要になります。
国民にできる簡単な方策は、選挙へ行くことです。
これだけでも、大きく変わります。
それをしないなら、本当に、新・貴族社会へ移行していくだろうと思います。