日本が空母を所有する際に、最も話題になるであろう状況は、離島防衛・・・と言うより離島奪還でしょう。
今回は、離島奪還をテーマに考えてみます。
 
 
離島奪還では、上陸作戦、制空作戦、拠点攻撃等が考えられます。
どう考えても、空母単独で行う作戦ではありません。
本案の空母はいずれも不可能ではありませんが、制空作戦と拠点攻撃は以前に「有事」の利用形態で概要を検討済みです。F35Cについて、戦闘機モードと攻撃機モードの比率を変化させれば、制空作戦と拠点攻撃のバランスの調整ができます。ですので、ここでは省略することにします。
 
残る上陸作戦を簡単に検討してみる事にします。
(でも、私の実力じゃなぁ・・・)
 
 
上陸部隊としては、水陸機動団が代表格だろうと思います。
ですが、本案空母から水陸機動団を出撃させることは無理です。水陸機動団の主要装備は水陸両用車なので、ドックを持たない本案の空母では、直接、出撃できないのです。
ですので、空母側の運用としては、兵員輸送と空輸が主任務になると思います。
既に書いているように、本案の空母では、500名分の予備を備えています。これを使って、兵員の輸送を行えます。
しかし、虎の子の空母を上陸地点に近付けることは考えにくいところです。
そこで、ある程度離れた場所から、CMV22Bを用いて兵員を一気に空輸することが考えられます。
 
ここからは、兵員の空輸をすることを目的とした搭載機の構成を考えてみたいと思います。
 
 
母体となる空母は、何も変えません。変えることが容易ではないからです。
その代わり、搭載機は自由に変更できます。
上陸作戦の母艦なるために、搭載機を確認してみましょう。
 
空中哨戒
・F35C   × 2機 + E2D × 1機  × 2チーム
 
スクランブル待機
・F35C   × 4~8機
 
空中給油
・CMV22B × 2機
 
救難&対潜哨戒
・SH60   × 4~6機
 
以上が、空母の個艦防衛に必要な機体です。
整理すると、以下のようになります。
 
・F35C     × 8~12機
・E2D       × 2    機
・CMV22B × 2    機
・SH60    × 4~ 6機
 < 計 >    16~22機
 
 
本案の空母は、最大で40機の運用が可能です。
ですので、18~24機の余裕が残っているので、これを上陸部隊に割り当てます。
 
上陸部隊は、主としてCMV22B(オスプレイ)で構成します。
ヘリコプターではなく、オスプレイを使うのは、航続距離が倍以上になるためです。
上陸作戦を行うのですから、周辺海域は敵の兵力が残っている可能性があります。なけなしの空母を、危険な海域に近付けたくはありません。ですから、上陸部隊は、離れた場所から発進し、兵員を戦場に送り届けなければなりません。そのためには、航続距離が短いヘリコプターではなく、オスプレイを使用するのです。
オスプレイを使用するもう一つの理由は、オスプレイなら護衛戦闘機と同行できる速力を備えているからです。
 
では、オスプレイの護衛戦闘機の編隊を考えてみたいと思います。
 
・護衛戦闘機  F35C  × 8機
・電子戦機   EA18G × 2機
・早期警戒機  E2D   × 2機
        < 計 >     12機
 
これを踏まえると、CMV22Bは、6~12機を搭載できる計算です。
『いずも』などのヘリコプター空母と同等の回転翼機を運用しつつ、充分な護衛戦闘機を同行させることができるので、上陸部隊生存率を上昇させることができると考えられます。
 
 
最後に、上陸部隊運営時の搭載機の整理しましょう。
 
・F35C      × 16機   (最大20機)
・EA18G   ×  2機
・E2D     ×  4機
・CMV22B × 14機    最小 8機
・SH60    ×  4機   (最大 6機)
 < 計 >
 
 
本案の空母に限らず、空母の特質として、搭載機やその構成を変更することで、空母が持つ性質も変えることができることが上げられます。
上陸作戦においても、柔軟に対応できる能力を持っていると言って良いでしょう。
 
次回は、もう少し具体的に見ておくことにします。