猫のこと | これは名作・迷作

猫のこと

猫が、名前を呼ばれたときに、ニャアと返事をするのが億劫で少しだけ尻尾を動かしてみせるということを知っていますか?私は15年間猫を飼っていましたが言われて初めてそうだったような気がしました。谷崎潤一郎の『客ぎらい』というエッセイの一節です。


「声を出すのは面倒だけれども黙っているのもあまり無愛想であるから、ちょっとこんな方法で挨拶しておこう、といったような、そして又、読んでくれるのは有難いが実は己は今眠いんだから堪忍してくれないかな、といったような、横着なような如才ないような複雑な気持ちが、その簡単な動作に依っていとも巧みに示される」

ここまで猫の性格を言い当てた人は初めてです。猫って本当にこんな感じ。大人って感じ。猫はばかだなんていう人が多いけど、馬鹿と言われて結構、とわれ関せずのところがまた魅力的です。これを読んだら猫に会いたくなってしまいました。

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