豆乳と卵巣機能 その2 | 乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査

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Dr.ちずこの診療日記
ims東京腎泌尿器センター大和病院レディースセンター乳腺科

今回、ご紹介するのは、米国テキサスでの研究です。

Lee-Jane W. Lu, Karl E. Anderson, James J. Grady, Manubai Nagamani Effects of soya consumption for one month on steroid hormones in premenopausal women : implications for breast cancer risk reduction. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. (1996) 5: 63-70.

上記の研究は、健康な閉経前の6人の女性を対象としています。

年齢は、22から29歳です。

豆乳12 oz ( 約350 ml ) を1日3回、合計 1050ml / 日飲みました。

大豆イソフラボンとして1日 215.6 mg となります。

期間は、月経周期1サイクルでした。

その結果、血液中のエストロゲン濃度は低下しました。

前値 186.9 pg/ml に対して、35.5 pg/ml になりました。

前値の約1/5に低下しました。

豆乳を飲まなくなった後の2から3周期まで、低下傾向は続きました。

また、月経周期の延長もみられ、平均28.3日であったものが、試験中は31.8日になりました。

試験終了後の初めの周期は、32.7日とさらに延長したようです。

エストロゲンのほかに、プロゲステロンという女性ホルモンの低下も認められました。

豆乳を飲んで、女性ホルモンの値を測定する試験は、乳がんの予防としての大豆イソフラボンの効果を検証するために行われています。

しかし、結果としては、乳がんの予防効果は不明です。

健康な女性の卵巣機能が、豆乳をたくさん飲むことで抑制されることが分かりました。

豆乳をたくさん飲んでも、大豆イソフラボンのサプリメントを飲んでも、乳がんは予防できるかどうか不明です。

しかし、卵巣の働きが悪くなることは、明瞭です。

豆乳や大豆イソフラボンのとりすぎには、くれぐれもお気をつけてくださいませ。