そのようなことがあるのでしょうか?
大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあります。
豆乳をたくさん飲むと、卵巣からのエストロゲンの分泌が減少することがあるようです。
1998年12月に日本から発表された研究の結果をご紹介します。
下記の論文は、インターネットから読むことができます。
Nagata C, Takatsuka N, Inaba S, Kawakami N, Shimizu H. Effect of soymilk consumption on serum estrogen concentrations in premenopausal Japanese women. J. Natl. Cancer Inst. (1998) 90: 1830-5.
健康な閉経前の女性31人に、毎日400mlの豆乳を月経周期の2期間、飲んでもらいました。
豆乳を飲まなかった29人と比較しました。
豆乳400mlには、大豆イソフラボン57.3mg含まれています。
通常の食事の大豆食品からの大豆イソフラボンは、29.5mgでした。
通常の食事と豆乳400 mlを合わせて、1日量として121.2 mgの大豆イソフラボンを毎日摂取しました。
豆乳を飲み始める前と、2月経周期のあいだ豆乳を飲んだ後の結果を比較しました。
血液中のエストラジオール(エストロゲンの主要なホルモン)の値は、
前 98.0 pg/ml ⇒ 摂取後 65.4 pg/ml となり、33%減少しています。
また、月経周期は、
豆乳を飲んだグループが31.7日周期
比較したグループが29.8日周期
2日延長していました。
この結果が、意味するところは、
豆乳を飲みすぎると、
本来は卵巣から分泌されるべき女性ホルモンが、少なくなるということです。
月経不順や更年期障害などに対して、ホルモン補充療法という治療があります。
その治療によって、外部からホルモン補充を行うことで脳は体内ホルモンが足りていると判断して分泌命令を弱め、卵巣は休息状態で原則として排卵が停止したままとなります。
したがって、早期に妊娠を希望する女性には不向きであるといわれています。
このように、卵巣からの女性ホルモンの分泌が減ることは、卵巣の働きを抑えることになるのです。
豆乳にも、そのような働きがあることは、驚きです。