前回、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインの変更点の一部をお伝えしました。
非浸潤性乳管癌では、センチネルリンパ節生検はどのように提案されているでしょうか?
非浸潤癌で、乳房切除の場合は、センチネルリンパ節生検を行う
非浸潤癌で、乳房温存術の場合は、センチネルリンパ節生検を行わない
非浸潤性乳管癌は、『ひしんじゅんせいにゅうかんがん』と読みます。
乳がんが、乳管の壁をこえて間質に広がっていない状態です。
そのため、リンパ管や血管にがん細胞が侵入することがありません。
転移の可能性は、きわめて低いとされています。
しかし、術前の病理診断は、針生検などの小さな標本で行われています。
手術後に、切除された病変の一部に浸潤部分が見つかる可能性もあります。
このことをふまえて提案されています。
乳房温存術では、術後放射線治療が行われます。
術後に浸潤が見つかり、リンパ節転移の可能性があっても、治療されると考えます。