2013年8月13日発行のJournal of Clinical Nursingに掲載された「Breastfeeding and prevention of breast cancer: a retrospective review of clinical histories」の調査結果です。
これは、スペインのグラナダにある病院でおこわれました。
2004年から2009年の間に乳がんと診断された504人の女性を調べました。
年齢は、19から91才でした。
乳がんを発症した人数と平均年齢については、
・出産歴がないか授乳歴3ヶ月以内 乳がん患者364人 発症年齢平均59.7才
・授乳歴3-6か月以内 乳がん患者109人 発症年齢平均55.5才
・授乳歴6か月以上 乳がん患者31人 発症年齢平均65.4才
出産歴がないか授乳歴3ヶ月以内の乳がん患者数が一番多く、授乳歴6か月以上の患者数の10倍です。
また、発病年齢の平均も5.7才若いという結果でした。
次に、喫煙者と非喫煙者を比較しました。
・授乳歴がないか3か月以内の喫煙者は、同様の非喫煙者より7歳若年で発症
・授乳歴3-6か月以内の喫煙者は、同様の非喫煙者より11歳若年で発症
・授乳歴6か月以上の喫煙者は、同様の非喫煙者より21歳若年で発症
この結果、喫煙による乳がんのリスク上昇は、授乳の有無より影響があり、非喫煙者においては、6か月以上の授乳することが乳がん予防効果となることがわかりました。
全体として、授乳の利点と喫煙の危険性を示しています。
また、喫煙については、発がんリスク上昇だけでなく、喫煙が原因となって、十分な授乳ができない可能性があるとしています。
授乳するかしないかは、母親自身が決めることです。
授乳することで、自分の子供に免疫力を与えるとともに、自分の乳がん発病リスクを軽減していることを考慮してほしいとしています。
また、次のようなライフスタイルが乳がんの発病リスクを下げるとしています。
・タバコを吸わない、すでに喫煙者であれば禁煙する
・適正体重を保つ
・定期的な運動
・飲酒の制限
・栄養価の高い食事をする
以上です。