豊胸術後の乳がん検診についての続きです。
豊胸術の種類は、大きく分けると次の2つの方法になります。
①バッグになったものを一か所に入れる
②脂肪や薬品を乳房の色々なところに入れる
①の豊胸のために乳房内にバッグを入れている場合は、前回まで説明しました。
②脂肪や薬品を乳房の色々なところに入れてある場合について説明します。
豊胸手術で乳房に入れるものは、次のような種類があります。
ヒアルロン酸を注射する
脂肪注入
脂肪幹細胞
注入バッグを入れて脂肪注入する
その他、過去に行われていた色々な方法があります。それらは、豊胸術を受けられたご本人に確認しても、どのような方法だったか分からないことが多いです。
これらは、乳房に乳腺や脂肪以外のものが含まれる状態です。
このため、普通の『乳がん検診』は難しくなります。
ヒアルロン酸はムコ多糖の一種です。
普通の人の体の中にあるものです。
関節や皮膚、目、脳などにあります。
ヒアルロン酸は、保水力や粘度が高いという性質があります。
皮膚や組織のはりや潤いを補うために使われています。
保水性は、1グラムのヒアルロン酸は、2~6リットルの水に対し水和能を持っているようです。(赤坂、日出道ら フレグランスジャーナル 1986,78,42 より引用)
保水性と粘度があることで、ヒアルロン酸を組織内に注入した場合、注入したところに留まって、水分をあつめて膨張する効果が期待できます。
また、たんぱく質を含まないので、アレルギーをおこしません。
ただし、効果は徐々になくなっていきます。
ヒアルロン酸が、体の中で代謝されて無くなっていくからです。
このように、良いことがいっぱいのヒアルロン酸ですが、豊胸術で使うと、色々なトラブルが見られます。
次回、乳房に注入されたヒアルロン酸のトラブルと乳がん検診についた考えてみます。