「画像処理/解析ソフト」 | 顕微鏡画像処理解析システム設計者のブログ

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 目視検査などの自動化装置をシステム設計・製作エンジニアです。

 光学機器や画像処理解析装置、アルゴリズムについて、徒然なるままに記述していきたいと思いますので、ぜひご覧ください。

前回は「画像処理/解析は魔法ではない」について触れました。

 今回は「画像処理/解析ソフト」について述べたいと思います。

 顕微鏡用途で「画像処理/解析」といえば、決まってよく使われるソフトがあります。

1. メタモルフ(モレキュラーデバイス)

2. イメージプロプラス(日本ローパー)

3. ウィンルーフ(三谷商事)

4. アクアコスモス(浜松ホトニクス)

 もちろん、それぞれ顕微鏡メーカー自体も画像解析ソフトを製造販売しています。

 これらのソフトは「操作者が任意に顕微鏡画像を取り込んで、その画像情報を解析する」ことを目的として製作されていて、本当によくできています。

 特にブローブ特徴量計測(塊の形状計測、個数計測)が優れていると思います。

 そして、上記1.2.は、欧米での利用実績が高いため、日本の研究者さんもよく利用しているようです。

 さてさて、本ブログは「顕微鏡自動化技術について」ですので、この観点からこれらのソフトを見てゆきます。

 「顕微鏡自動化技術」と言う意味を「顕微鏡遠隔操作化技術」と同義ではありません。 

 「自動」というのは、各タスクでの判定に従って「結果」を導き出すことが求められます。例えば弊社の「コンタミネーション粒度分布測定システム 」では、「コンタミの粒度分布を測定すること」が目的ですので、「単に測定を繰り返す」わけではありません。

 上記に挙げたソフトは、従来の「人による操作を伴う測定行為を助けるためのツール」です。オプションで「周辺機器制御ユニット」などがありますが、これらは「顕微鏡や周辺機器を動かすこと」を目的としたものであり、「測定器」ひいては「自動化」するものではありません。もともとの目的が違うわけなのです。

 つまり、「顕微鏡自動化」のためには、単に操作が電動化しているだけではなく、これらを目的どおりに動かし、結果を保証するという、頭脳とも言うべき「システム制御ソフト」が必須です。「電動化」は「手足が動かせる」という意味であり、「自動化」は「手足がバラバラではなく、目的のために統合された制御で動く」という具合です。

 ここで言いたかったことは、「顕微鏡自動化」といえば、「よく聞く名前のソフトとそのオプションを持ってくればできる!!」という、誤解を解きたいということです。