従来のインキュベータがダメなところ | 顕微鏡画像処理解析システム設計者のブログ

顕微鏡画像処理解析システム設計者のブログ

 目視検査などの自動化装置をシステム設計・製作エンジニアです。

 光学機器や画像処理解析装置、アルゴリズムについて、徒然なるままに記述していきたいと思いますので、ぜひご覧ください。

 ネガティブな説明は本来したくないところですが、日本の技術研究向上に少しでも寄与できればと思い、書いてみます。

 このシリーズのVOL.1でも書きましたが、顕微鏡載置型インキュベータを用いた実験結果の論文数はピーコン社のCTIシリーズが多いようです。

 古くからあって、現在も使われていて、論文での掲載回数が圧倒的に多いのはPECON社のCTI3700シリーズです。(引用元:http://www.pe-con.de/pecon/products/ )

 これはライカやツァイスにOEM供給されております。最近はオリンパスへも。(http://www.microscopy.olympus.eu/microscopes/4496_CTI-3700.htm)
 この製品は二酸化炭素濃度を5vol.%に調整したガスを培養器の中に導入し、培養器内に水路を設けて自然蒸発させた水蒸気によって培養器内の湿度を高めます。
 培養容器(35mmディッシュ)付近および対物レンズには、それぞれ専用のヒーターが取り付けられてこれらを温度調節します。
 実はこの装置では最大数時間程度しか培養ができません。
 顕微鏡に結露した水滴がしたたり、培養容器内が乾燥するからです。
 複数社から販売されていた国産の製品も似たような方式ばかりでした。

 さて、古くからあるこの手法(培養容器周辺を飽和水蒸気雰囲気で覆う)は、次の致命的結果をもたらします。

・細胞付近が乾燥し、メディウムが蒸発してしまう。
・乾燥を防ごうとして、チャンバー内に水を供給すればするほど、チャンバー辺縁部にて結露が発生する。
・せめて培養容器付近だけは結露を防ごうとして、「ヒーティングステージ」などを追加で購入して使用するも、更に培養容器の乾燥を促進させてしまう。

 正に悪循環なのです。


 この古い方法では、せいぜい10時間程度しか、培養観察ができません。
 現在市販されている殆ど全ての製品はこの古い方法に基づいて設計されています。
 弊社製品は、これら従来方法の欠陥を完全に払拭します。
 今、お使いの国内最大手の品、韓国製の品、などに追加するだけで、弊社製品に近い性能を実現する弊社製品もございます。

 弊社HPお問い合わせのページから弊社へメールくださるときに一言、「インキュベータへの付加装置説明希望」と、ご記入いただきましたら、説明資料をファイルで送信いたします。


画像解析粒度分布測定システムMRIMS