まずタイトルは、イタリア映画の「特別な一日」とは何の関係も無い。(マストロヤンニとソフィア・ローレンのメロドラマの傑作だよ)

 僕がチビっ子の時の「特別な一日」とは刑事が殉職する日の事だった。「太陽にほえろ!」の殉職の日である。


 それで今日ふりかえる「特別な一日」は、ゴリさん殉職の日です。

 我が故郷、宮崎は民法が2局しかなく、一つの局で日テレやフジテレビの番組をやっていた。そういう訳で、その金曜日、夜7時からフジの欽ちゃんの家族対抗歌合戦、8時から日テレの「太陽」というラインナップを一つの局でやっており、そのまま僕達兄弟はチャンネルを変える事無く楽しんだ。

 その日の家族対抗歌合戦に1人、気になるゲストがいた。粟津ごう(漢字が変換できない)である。いろんな映画やドラマで脇役を演じるこの男を、僕は初めて見た。「大都会」では刑事役でレギュラーだったのだが、宮崎では放送していなかった。

 なかなか個性的なルックス。kou君はnappa氏の同級生の田中君に似ていると言い出した。茶の間は大騒ぎ。
 で、この男、優勝した。茶の間は田中君が優勝した、と大騒ぎ。


 8時からはお待ちかねの「太陽にほえろ!」。手に汗にぎる1時間。終盤、竜雷太が演じるゴリさんが事件を解決した、と思った時、拳銃を持ったクルクルパー(覚せい剤中毒者)が現れた。

 田中君だった。ほんの1時間前に優勝トロフィーを満面の笑みで掲げていた男が、フラフラ登場! それでゴリさんに向かいバキューン! 田中君はワーッ、て言って逃走。

「田中君がゴリさん、殺した!」 茶の間は大騒ぎ。

 後々、気付いたのだが、この時の「太陽」は2時間スペシャル。でも宮崎では1時間で終わった。ゴリさんが死んで、解決しないまま終わった。

 ゴリさんが死んで悲しいはずなのに、頭の中は田中君でいっぱいだった。まさにこの日は「特別な一日」となりました・・とさ。めでたし、めでたし。


ゆう