オレは小さな頃から知りたがり屋さんだった。

「どーしてお空は青いの?」
「どーして海の水はしょっぱいの?」
「どーしておじちゃんの頭、肌色なの?」
「どーしておばちゃんのお顔、そんなに汚いの?」
「おまえ何でデブなの?」
「オマーンはどこにある国ですかっ!」
「どーして山下達郎は(才能のある)化け物なの?」
「どーして人間は戦争するの?」
「あっ!えーっ?チンポが硬くなった!?」

そんな疑問も大人になるにつれ解決していくし、どーでもよくなっていくものだ。だが映像表現などでよくある、「芸術かワイセツか」は解せない。ワイセツな芸術もあるだろうし、白と黒みたいに分けられるモノじゃないだろう。芸術を社会的、教育的にプラスの方向にしか捉えられない、頭の固い固いババァ達はイケスカナイ!ワイセツとは何か?どこからがワイセツなのか?たとえば性器を出して歩いたら・・・これはアウト。分かる。ならチンポ隠してタマ隠さずなら・・・オレは何年も前、酔っ払った時にこれを実験した事がある。

呑んだ後、友人と2人で電車に乗る前、オレはポコチンを右の方に寄せに寄せた。
「おもかじいっぱーい!よーそろーっ!」
そしてキンタマだけを綺麗に外に出してズボンのジッパーを閉めた。2つの玉は1つになり、ワケの分からない大きめのクルミらしきモノが股間の上の方(キンタマがジッパーで上に引き上がっている)にくっついているルックスになった。そして電車に颯爽と乗り込んだ。車内はそこそこ混んでいた。オレ(と友人)はつり革に掴まった。

何人かがこっちを見て怪訝そうな顔をし、そしてホッとした表情になった。
「あれっ、キンタ・・・いやまさか・・マリモかしら?・・・クルミだ!(笑)」って感じだったのだろう。何しろこのキンタマという奴、いつもポコチンとセット。ソロでは無理というところか。パックン・マックンのマックンだけでは誰だか分からないのと同じ事だ。キンタマをモミモミすれゃぁ、昔の映画に出てくるスリみたいに、クルミをニギニギしている粋な姿に見えたことだろう。

一駅、二駅、三駅と何事もなく、オレは普通に電車に乗っていた。
「ひとつとせーっ!」
「ふたつとせーっ!」
「みっつとせーっ!」

だが四つ目か五つ目の駅を過ぎたあたりから、オレの周りがザワザワしだした。明らかに原因はオレだ。みんなオレの股間を見ている。

バレた。

王様が裸だという事が露呈したのだ。

「王様はハダカだ!
「あれはキンタマだ!」
「Oh!Kintama!」
「キンタマよ!

「キンタマよ!!」

オレと友人は目的地でもないのに電車を降りたのだった。
オレは社会に負けた。頭の中でトム・ウェイツの「レイン・ドッグ」が鳴っていた。

ワイセツとは何だ!!???



KOU