映画『トラック野郎』シリーズには必ず、主役の星桃次郎、通称・一番星(菅原文太)がトルコ(現ソープランド)で豪遊するシーンがある。店のトルコ嬢全員を侍らせての酒盛り、そして勿論、
「どれ、バックからもう1発いくかぁ!」
「ハァ~ン、いちばんぼす~っ!」
「ンーム!」
「いぐ~っ!いぐ~っ!」・・・。
そこの洗面器でゴシゴシ洗濯もさせている。(洗濯板を使って)
ちなみに桃次郎はトルコのことを『故郷』(ふるさと)と呼んでいる。『傷だらけの天使』のショーケンも『探偵物語』の松田優作もトルコ通いをしていた。ザッツ・パラダイス?それは青少年に影響を与えまくった。

冬休みのある日、オレは友人のSちゃんとトルコへと向かった。まだ10歳か11歳かそこらのオレ達はチャリンコを店の前に付けた。店の名前は『トルコ病院』。
(多分、ナース姿でイイコトしてくれるのだろう!イヒヒ)
中へ入ると受け付けらしき場所に、55歳位だろうか、カプセル怪獣ミクラスによく似た、化粧の濃~い濃~いババァがいた。
(まさかこのババァが相手じゃ?・・・いや只の受け付けだよな)
オレ達はお年玉の5千円をミクラスに差し出した。ワクワク&ビ~ン!!!!
(トルコの値段の相場がまるっきり分らなかったのである)
ほんの少しの間があって・・・

「大人になってからまた遊びに来てねぇ~~っ!」

ミクラスはダミ声で笑いながら言うと、オレとSちゃんに飴玉を2個ずつくれた。ロッテの小梅だった。

軽くあしらわれたオレ達は、店を出ると
「クソババァ!!」
と捨て台詞を残して、飴玉を食いながらチャリンコを漕いだ。仕方がないから映画を観に行ったよ。クソッ!馬鹿にしやがって!!
I can't get no satisfaction~♪

PS
オレは太宰治の『人間失格』がものすごく好きなのだが、その原点が『トラック野郎爆走一番星』です。

KOU