昨夜、「地球人村」の金子詔一村長のお招きにより、静岡県裾野市千福が丘の山荘をポーランド生まれのピアニストのミハウ・ソブコヴィアクと訪ねました。村長は、実はあの有名な「今日の日はさようなら」の作詞・作曲家。誰もが、一度は口ずさんだことがある名曲です。
午後2時半頃に、新宿を経ち、東海道新幹線三島駅からタクシーで駆け付けると、深い緑に囲まれた山荘に案内されました。タクシーの運転手さんの話では、今日は雨模様なので、蛍は見れないだろうということで、残念に思っていました。
7時過ぎ、ミハウのピアノが始まり、彼はショパンとリストを弾きまくりました。
ピアノも良かったのですが、彼の演奏も素晴らしく、彼独特の甘いピアニッシモには、とても感銘を覚えました。
ショパンの「舟歌」や「雨だれ」も、ショパンの音楽性を知り尽くしたミハウならではの、哀歓のこもったピアノは、圧倒的でした。
また、彼はサービス精神も旺盛で、その夜のもう一つのテーマである「ほたる観賞」にちなんで、何と「蛍の光」を、ジャズ風にアレンジして聴かせてくれたのです。
これには、一同、拍手の嵐でした。
1階と2階に、それぞれSteinwayが鎮座し、2部構成で行われたコンサートは、贅沢なものでした。金子村長の心意気が感じられ、私の心も何か、熱い思いで満たされました。
一通りの、演奏が終わると、さっきまでの小雨が上がり、濡れた階段状の散策路を恐る恐る下ると、何と薄霧がかかる暗闇の中で、たくさんの蛍たちが、雨あがりを待ってたように、あちこちで光を放ちだしていました。
きっと、ミハウが奏でるショパンの調べが、蛍たちを呼び寄せ、私たちをまるで歓迎しているように、あっちでもこっちでも乱舞していました。
私の、自宅がある郡山の郊外の川辺でも、幼少のころ、よく蛍が乱舞していたのを今もよく覚えています。今では、川岸はコンクリートで覆われ、すっかり変わってしまった景観に、蛍の光を見つけることはできません。
金子村長、そしてミハウ、「蛍の光」をありがとう。
2018.5.31 裾野市千福が丘


