大学生のころ、モデナの剣の実写版の映画を自宅で観た。
ミナミの帝王のイメージが強い竹内力がなんとピザ屋の宅配をしつつ、フェラーリ348を所有しているという何とも不思議な設定に違和感を感じながらも、348のカッコよさにとにかく釘付けだった。
映画の中では伝説のレーサー役のポルシェに乗った根津甚八、トラックの運転手役のNSXに乗ったシブがき隊のフッくんなどが登場していた。
ストーリーなどはどうでもよくて、とにかくフェラーリ348の走る姿が心に残った。
僕は当時、ホンダプレリュードに乗っていて、映画を観終わってすぐに一人で峠に走りに出かけたのをいまでも覚えている。
その峠を赤のポルシェで僕が走っている動画
フェラーリ348との共通点はリトラクタブルライトというところだけだったけど、一人でワクワクしていたような記憶がいまでも残っている。
僕の目に映ったフェラーリ348はそれほどまでに美しく、またカッコよかった。
決して手の届かない存在。
それが、その当時のフェラーリ348であった。
そして、時が経ち、なんと弊社の在庫でフェラーリ348が2台もあり、ちょっと前までガレージには3台の赤のフェラーリ348が停まっていた。
フェラーリ308、フェラーリ330P4、ポルシェ964カブリオレ、どれも真っ赤で、大学生のころの僕が見たら卒倒しそうな豪華なラインナップ。
フェラーリ348のボディラインの美しさは時代を越えて、いまもなお輝いている。
サイドのダクトはテスタロッサや512TRを彷彿とさせ、デザインのバランスも取れている。
流れるようなエッジの効いたラインは308から328、348、355へと継承され、あらゆるメーカーがフェラーリっぽいデザインを取り入れても、そのすべてが陳腐なものに感じるほどの独自のオーラがある。
そして、やっぱりリトラクタブルライトはカッコいい!
ドアを開けて乗り込む。
フェラーリの内装はいまも昔もシンプルだ。
シートもメーター類も機能性を重視しており、レースで培われたノウハウをそのまま市販車に詰め込んだ感じがダイレクトに伝わってくる。
エンジンをかけると野太いサウンドが響く。
フェラーリ355のような乾いたかん高いエンジンサウンドではないが、存在感のある音だ。
乗り込んでエンジンをかけてみる。
308のような“儀式”はなくキュルキュルと一発でエンジンは始動。
一速に入れて、狭い道を左折する。
パワステがないのはなかなか辛い(笑)
パワステありきのステアリング操作の仕方に慣れている方は、まずこの第一歩でつまずくかも知れない。
でも、30分も運転してフェラーリ348がどんな車かを理解すると、そのすべてが気にならなくなるほどの魅力がある。
この348はオイルが温まるのを待たずに二速に簡単に入る。
これは個体差もあるのかも知れない。
アクセルを踏むと、フェラーリサウンドが心地よく車内にも伝わってきて、本当に幸せな気分になる。
乗って楽しく、見て楽しく、所有して満足する車。
そんなキャッチを考えたくなるほど348には独特の魅力を感じてしまう。
割と生産台数は少なくない348で近年はフェラーリのエントリーモデル的な役割を担ってきたのだが、ここにきて一気に値上がりした。
エントリーモデルなだけに、いろんな人がフェラーリオーナーになることで、整備の仕方や保管の仕方、運転の仕方などに大きな差があり、個体差が結構ある。
ガチャガチャに乗られていた348でも写真に収めれば普通に美しく、他の348と何ら変わらなく見えるので、購入する際はやはり実車を見てからの方がいいと思う。
弊社の在庫の348は幸運にも2台とも程度よく、本日も見に来られたお客様も厳しい目で見られ、購入をほぼ決めて帰られた。
フェラーリ348は価格が下がった後にグッと上がった車なので、いまから車の価値が下落の一途を辿るクルマでないことは間違いない。
これは新車や新しいモデルとはまったく違う感覚であることを知ってほしい。
投資用にフェラーリを買われるお客様も少なくないが、きちんと保管して休日に楽しんで、しっかりと整備にも気を配ることをしていたら、買った金額と同等の金額で手放すことも不可能ではないのがフェラーリ348の隠れた魅力でもある。
整備にかかる費用もそれは安くはないが、新車から下落する価値を金額に換算したものと比較すると圧倒的に安いと断言してもいい。
迷っている人はそのあたりを知ると、憧れをカタチにする勇気が出てくるのではないだろうか?
新しいモデルのフェラーリを持っている人が、その歴史を自分のライフスタイルに織り込む密かな楽しみでクラシックフェラーリを所有するという方が少なくない。
そんな最高の贅沢を実現できる人とのご縁もまた個人的には楽しみの一つだったりする。
フェラーリ348tbの販売サイト
カーコンセントコストオフィシャルサイト