エンジンのフィーリング…つまり「エンジンの気持ち良さ」というものを考えるとき、そこにはトルクの出方や排気音など様々な要素がありますが、なかでも一番大切なものと言えば、「レスポンスとスムーズネス」でしょう。

$失敗しない輸入中古車選び

「レスポンスがいい」というのは、スロットル(アクセル)を踏んだら、エンジンが瞬時に吹け上がり、戻すと瞬時に回転がストンと落ちるということです。

▼クランクシャフト
$失敗しない輸入中古車選び

レスポンスを良くするには、クランクシャフトに連なるフライホイール(はずみグルマ)をなるべく小さくした方がいいということになります。しかし、そうすると4気筒など気筒数の少ないエンジンは、回転がバラつき、なめらかさ、つまり「スムーズネス」を損ねてしまいます。かと言ってフライホイールを重くすると、回転が上がりにくくかつ落ちにくい、ドロドロッとしたエンジンになってしまいます。このあたりのバランスが、エンジン設計の難しいところです。

▼フライホイール
$失敗しない輸入中古車選び

この点、ポルシェのフラット6(水平対向6気筒エンジン)は、レスポンスの良さと同時にスムーズネスも兼ね備えています。物凄いエンジンだと思います。このフラット6は軽々と吹け上がり、かつスパッと回転が落ちます。しかもそれが実にスムーズです。

▼ポルシェのエンジンルーム
$失敗しない輸入中古車選び

ポルシェ911に乗ると「本当にこんなに回っているのかな?」とタコメーターを見ながら疑ってしまうほどです。その理由はフラット6というレイアウトが、バランスがいいからでしょう。理論的にフラット6は、フライホイールはほとんど無用、クランクシャフトの棒の質量だけで十分と言われています。

▼水平対向6気筒エンジン(フラット6)
$失敗しない輸入中古車選び

スムーズさを得るには、気筒数を増やすという方法もあります。ジャガーの12気筒エンジンなどは例えようがないほどスムーズですし、フェラーリの8気筒や12気筒も実にスムーズかつ好レスポンスの素晴らしいエンジンです。しかし、スムーズさとレスポンスを両立させるために、やたらと気筒数を増やすというのは、技術的な勝利とは言えないようにも感じます。となると、やはり理想的なエンジンは4気筒か6気筒ぐらいで、フィーリングのいいエンジンということになるのではないでしょうか。

▼ジャガーの12気筒エンジン
$失敗しない輸入中古車選び

もうひとつエンジンのフィーリングで大事なのは、各回転域において、どういうトルク、パワーの出方をするのか?ということです。ホンダのエンジンなどは一般的に高回転域で極めてレスポンスが良く、高いトルクを発生します。しかしながら低回転域ではあまり力が出ませんし、気持ちいい感じもしません。トヨタのエンジンにも多少そうした傾向があります。

▼当時、世界最高の4気筒エンジンと言われたホンダ・アコードのエンジンルーム
$失敗しない輸入中古車選び

いいフィーリングのエンジンだと感じさせてくれるのは、何と言ってもBMWのエンジンでしょうか。BMWのエンジンはさほど高回転型ではありませんが、あらゆる回転域でスムーズであり、気持ちがいいエンジンです。

▼BMWの直列6気筒エンジン
$失敗しない輸入中古車選び

BMWエンジンの気持ち良さには、その音も重要な役割を果たしています。エンジンが3,000~4,000回転以上になると、クルマの発する音というのは、ほとんどエンジン音によって占められますが、高回転域で極めていい音を発するエンジンと、ただの騒音しか出さないエンジンがあります。それは主にエンジンのクオリティが影響しています。BMWのようなエンジンは、やはり相当お金をかけてつくられていると思われるバルブメカニズムなど補機類のクオリティが高いので、5,000回転ぐらい回しても、全体として極めていい音を醸し出すのです。

▼ホンダNSX タイプR
$失敗しない輸入中古車選び

国産車で、高回転で一番いい音を出すクルマと言えば、ホンダのNSXでしょうか。さすがにエンジンのホンダだけあって、このクルマの高回転の音はいいと思います。この点、トヨタのエンジンは高回転になると、どれも本当に情けない音しか出てきません。トヨタとしても、そんな回転域はほとんどのユーザーが使わないから、気にする範疇ではないと考えているのかもしれません。確かに実際、そんなところはほとんど使わないのですが…。

▼G型エンジンを搭載したセリカ1600GT
$失敗しない輸入中古車選び

ちなみに旧いトヨタのエンジンのフィーリングというのは、ホンダの新しいエンジンと比べてみても、それはそれで結構面白いエンジンです。例えばセリカの2Lターボに載る旧いG型エンジンは、シュンシュン回るホンダの新しいエンジンとは全くフィーリングが違いますが、トヨタの旧い方もなかなか悪くないと思います。トヨタのG型エンジンは、元々スムーズに回らないものを、無理矢理回しているようなところがあって、そこがいかにもスポーツカー的で面白いのです。マニュアル仕様で、セカンドあたりで引っ張ってみると、いかにも遮二無二回しているという感じです。ホンダの新しいエンジンのように全く抵抗なく回るエンジンも、もちろん悪くありませんが、セリカのような古典的なエンジンも乗っていて楽しいものです。

▼ヤマハ製の2T-G型エンジン(セリカのエンジンルーム)
$失敗しない輸入中古車選び

しかしエンジンのフィーリングの差というのは、なかなかわかりづらいことだと思います。エンジンのフィーリングの微妙な差を感じ取れるのは、ハイスピードコーナリングの際、コーナーにアプローチしている途中で、エンジンの回転をスロットルによって若干変えるようなときです。こうした乗り方は普通に運転する人はまずしませんし、この微妙なところはわかりにくいところです。

▼アウディQ7に搭載されるV12ディーゼルエンジン
$失敗しない輸入中古車選び

また、エンジンのフィーリングというのは、ユーザーが一旦それに慣れれば、そういうものだと思ってしまうものです。ユーザーは誰でも、普段自分が乗っているクルマのエンジンを標準にしがちです。日常的にディーゼル車に乗っているユーザーは、「ディーゼルが一番気持ちいいね」と主張されたりします。そうなると、こちらとしては「そうですよね…」と言うほかないですよね。

こう考えると、いわゆるエンジンのフィーリングというものは、そう目くじらを立てるほど重要なことではないのかもしれませんが…(笑)

ken






カーコンセントコストオフィシャルホームページ
http://www.carconcentcost.co.jp