今の日本人の中のほんの一部の人だと思いますが、中には、「空気と医療にお金がかかるのは良くないことだ」と思っている人がいると思います。
空気を吸うのにお金を払うという時代が来たら恐ろしいことですね。しかし、医療費は安いほど良いという考えは、それもまた恐ろしい考えだと思います。
もし、国内の医療費が半額になったら、どうなるでしょうか?シュミレーションをしてみましょう。
まず、医療関係者の収入も半分になります。医療関係者というのは医者だけではありません。製薬会社の研究者、医療機器の開発者・・・キリがないのでこれくらいにしますが、彼らの収入が半分になれば、優秀な人間から転職していくでしょう。また、次の世代の優秀な人材は、医者や研究者にはならないでしょう。
医療のレベルの低下のみならず、医療に携わる人の数も減り、病院の過疎化もすすむでしょう。地方の病院は過疎化します。
でも、もっと重要なことは、「医療費は安くなって欲しい」という人は、もし、自動車を買うときには「日本の自動車は安くなって欲しい」というし、家を買う得は「日本の家は高すぎる!」というでしょう。
そして最後に「自分の業界だけは良くなれば良い」と思うものです。そのような考えは、社会をだめにします。
選挙になると自分の業界のために働くそぶりを見せた政治家を応援する組織も怖いですね。社会全体のバランスを考えることが、めぐって自分が幸せになることだと思うのです。