『モエナ燃えない煙草』シリーズですけど、ちょっと休憩させてもらえまっしゃろか。
なあんしこの日誌をやっとう目的には、自分が吸うた銘柄を記録しておくというのもおますからナア。
早いこと記録してしまわんと、忘れてまうよって。
煙草なんぞ吸うてしもたら仕舞いで、よっぽどの嬉しがりでない限り、パッケージもぽぉいっと景気ようほかしてまうさかいね。
シガレットにしろパイプ煙草にしろ葉巻にしろ、長年の歴史を誇るご長寿銘柄もおますが、たいがい生まれては消え、消えては生まれしまっしゃろ。
消えてもたら、もうそれで終わりでやっさかいね。
しとびとの記憶の中にしか存在しやへんようになるんや。
こんな日誌にでも記録しときゃあ、後世に残ります。
後々のしとが気まぐれにもこの日誌を見てからに、
「ふぅん。こないにケッタイな銘柄があったんかいナ」
ちゅうて、しみじみできますやん。
実際に自分自身、なんぞのおりに昔の日誌を読み返したおり、「ほっほぉ。そうゆや、こないな銘柄あったなあ」と感心することおますモン。
ちゅうことで本日は、ふたあつほどシガレット銘柄をご紹介しときたいのや。
まずこれです。
『メビウス・プレミアムメンソール・オプション・レッド・8』
JT製。キングサイズ二十本入り、四百四十円。
T8mg、N0.5mgちゅうスペックです。
なあんしメンソールでやっさかい、自分から進んで買い求めたワケやないです。
サンプルとして、豪気にしと箱もろたモンや。
基本メンソールで、カプセルをぷちゅっと潰すと、アポォ系フレーバーが加わるやっちゃけど、このメンソールがまたエゲツないですワ。
「しょせんメビウスでやっさかい、まあたいしたことなかろ」
ちゅうて、油断してちゅーと吸いこんだらあんた、あまりの強烈メンソールに、むせ返ってしまいました。
ワタイなんぞ思わず、
「く、KOOLでっかあんた!」
と、しとめ憚らず叫んでしまいましたデ。
まあ。ただそれだけの煙草です。
お次はこれです。
『マーベルス』
比国で購入してきた、百二ペソトリオの最後の銘柄や。
開封した途端、ラム酒のカザが、もわわぁんとしてきました。
俗にいう、『ラム酒漬けおげしん系シガレット』やナ。
「なにが『俗にいう』やねん。そなしてカテゴリ分けしてんの、おまはんだけじゃ」
ちゅうかですナ、モロ『ハイライト』です。
と、最初は思うたんですが、五本目にさしかかったおり、突然オリエントのステンレス味が顔出しよりましたのや。
これホンマ不思議やナア。
せんにご紹介した『ダラス』も、五本目にしてやっとオリエントの存在に気づいたさかいね。
とにかくあれです。
「煙草はきつうてエグうて、その下品さをラム酒でごまくらかしたついでにステンレス味がしてナンボ」ちゅう銘柄の存在が許された、古き良き昭和の時代を髣髴させます。
カザかて、しゃれならんぐらい臭いけど、なあんか懐かしいワ。
茶の間で、むつかし顔して新聞なと読みながら、テテ親が灰にしてたタバコやナ。
あんたアレやデ。
今では、『メビウス・プレミアムメンソール・オプション・レッド・8』みたいのしか、新製品として登場でけへん時代やさかいね。
煙草葉本来の味なんぞ、ちょっともしいひん。
そんなん関係ない時代になってしもたのや。
挙句の果てに、ニコチンだけ摂取でけりゃええ。いや、なあんとなくケブリみたいなのがぶわっとでてくりゃそれでええ(ニコチンフリーVAPEのことゆうてます)ちゅうて、モノゴトちょっとも分かっとらんガキが大量発生しとう時代なのや。
嘆かわしいこっちゃないかあい。
ちゅことで、対極にあるふたあつの銘柄として、今回これらをご紹介させていただいた次第です。
ようこそご辛抱。
またおこし。