毎日毎日、暑うおまんナア。

実際のとこ、今年が特に暑いのか、ワタイ自身のカダラが経年劣化して、抵抗力がのうなってきてるのか、どっちかよう分からんのですが、こう暑いと、まず進まんようになるのが、パイプ煙草の喫煙慾なんです。

ゆったりケブリをくゆらすちゅう気ィにならへんワ。

吸うてる間に、暑さでクラクラしてきて、味もなんも分からんようになってまいまっさかい。

あのね。

世界的情勢を鑑みるに、熱帯に位置する国々では、パイプ煙草て、あんまし流行ってないやん。

暑い国々では、やっぱ葉巻でっしゃろ。

ちゅうワケで、ワタイもそれに倣い、今月度は『シガリロ月間』にすべしと企んだのです。

シガリロちゅうのは、燃焼時間のみじこい、葉巻またはそれに準ずる喫煙物体のことですナ。

さすがに仕事中は、マジな葉巻は吸うてられんさかいね。

「おい。実装者のオッサン、どこへうせくさったんや? あのボケ老人のこさえたプログラム、バグだらけで、ちょっともいのけへんねん」

「ああ。実装者のオッサンでっか。二十分ほど前に、『いやあ。本日もすんばらしプログラム構築してまいましたワ。この達成感たるや、ハンパやおまへん。記念にちょっと、煙草吸うてまいりまっさ』ちゅうて、席はずしはりましたけど」

「ぬわぬぃ。もしかして、こんな長ぁい、筒状のモン携えてへんかったか?」

「そうゆやあ、『みてちょうだいんかこれ。とうとう手に入れましてんやデ。ニカラグアのペリコソでんねん』ちゅうて、うれしそな顔して、全長優に二十センチ、太さが二センチ五ミリぐらいある、先っちょの尖がった茶色い棒を持ってはりました」

「しもたぁ。葉巻やがなそれ。最低一時間は戻ってけえへんど。もうクビじゃあ!」

ちゅうことになってまいます。

で。

まずこれですワ。

アッシュトンミニシガリロ

『アッシュトン・ミニシガリロ』

ベルギウム王国製。十本入り、一千三百円です。

中身はこんな感じ。かなりダークな色合いですナ。

アッシュトン中身

くんくんと嗅いでも、ほとんどにおいはおまへん。

とにかく、吸うてみてビッツラですワ。

甘いねん。

これが、煙草葉本来の甘みならスゴイんですが、残念ながらどう考えても人工的な甘みなんです。砂糖漬けのコニャックとでも表現したらええのかナ。

なんでビッツラしたかというと、てっきりノンフレーバーやと、勝手に決め付けてたからや。

けどまあ、こういうのもええのんと違います?

美味しいか不味いかの二元論で判断すりゃあ、美味しいからね。

そうでんなあ。リトルシガーを含め、葉巻系に興味を持たれたかたなら、一度はお世話になっているであろう『カフェクレーム』(廉価な缶入りミニシガリロ)を三倍ぐらい上等にした味ですかナ。

「どっから出てきたんでっか。その三倍ちゅう数値は?」

価格の比率や。

カフェクレーム 一本四十二円。
アッシュトン  一本百三十円。

130 ÷ 42 = 3.095238095238095


理論的やろ。