どおりの美味さでしたデ。

ほかでもない『アッシュトン・オールドロンドン』のハナシなんですけどね。

旨味については、すけのう見積もって三倍、コクにいたっては、七十八倍、『ダビドフ・フレーク・メダリオン』より上です。

なんでコクが七十八倍なのかっちゅうと、残念ながらメダリオンには、コクっちゅうもんがほとんどあらへんじゃったさかいや。

こりゃもう、テンから勝負にならんナ。

ちゅうかですナ、これまで試してきた非着香モンの中で、いっちゃん美味しいのとちがうやろか。

とにかく、アロマモンより甘いて、どゆことや?

フレーバーびたびたやけれども、煙草葉本体の処置がええかげんながゆえに、辛味エグミが前面に出てきて、ちょっとも甘いことあらへんちゅう煙草多いやん。

とくに安モンパウチのやつは。

このオールドロンドンは、ヴァージニア葉のフルーティーな甘みはむろんのこと、別の甘みがおまっせ。

ベースはヴァージニアとペリツクですけど、隠し葉っぱとしてオリエントが混入しとうらしいさかい、それが醸し出す甘みかナア。

そして、いっちゃんほかのヴァージニア系煙草と一線を画しとうのは、砂糖やみな混ぜん、素ぅの状態のバンホーテンゴールドラベルココアみたいな香ばしさがあって、これがたまらんほど深いコクとなっとうとこや。

とにかく、信じられんほど複雑かつ緻密に構成された味です。

非着香イングリッシュ派のみなさんはむろんのこと、着香派のみなさんにも、ぜひ一度はお試しいただきたい逸品や。

これで五十グラム換算二千五十円は安いナ。