あんたら、知ってるか知らんか知らんけどね。

ラークちゅうのはあんた、発売当初はあんた、おされ銘柄ナンバーワンやったんや。

洋モクでしかも、専売公社製のメジャー銘柄よか二、三十円高かったもんやさかいね。

茶色いフィルターがおされとかゆうてね。名前も箱もおされとかゆうてね。

たとえばあんた、キャバレーのおなごしはんなんかも、好んでラーク、もしくはちょっとあとに出たラークマイルド吸うてはりましたデ。

いまでこそ、『おなごしはんは、最高でもタール3mgまでのメンソール吸うもんや。まちごうでも、タール10mgを超えるようないかつい銘柄吸うたあかん』ちゅう風潮になってますけど、昔はそうでなかったです。

なんや、ワタイの周囲では、猫も杓子もラークっちゅう時期おましたわ。

もうそこらへん、ラークラーク、ラークラークしとったちゅやっちゃね。

もちろんワタイも調子に乗って、キャバレーのおなごしはんにモテよ思うて、ラーク吸うてましたがナ。

そのおりは、美味しいともなんとも思わんかったですけどね、なんやイガイガした煙草やな思うてましたけどね、煙草っちゅうのは、案外カッコで銘柄選択するちゅうようなとこあります。喫煙極道と成り果てた今は、イッセツそんなことおまへんけどナ。

しかしながら、円高の影響か、税率のマジックかなんか知りまへんけど、ある日を境に専売公社製のメジャー銘柄より安うなってまいましたナア。

という次第で、温故知新シリーズ第二弾はこれです。

実装者流-ラークボックス
『ラーク・ボックス』

メリケン製。キングサイズ二十本入り四百十円。

T12mg、N1mgちゅうスペックですわ。

記憶してたとおり、かなりバーレーが前面に出てますナ。

つおいキックとイガイガを感じるアメリカンブレンドです。

こんなん、喫煙技術が未熟であったばやい、『やけにイガイガする煙草やな』としか感じまへんやろそら。

ほんで、おそれていたとおり、このテキもまた、ほのかにバニラの甘さを感じまっせ。

このころのアメリカンブレンドはみなそうなんか、やっぱし。