若造に叱られてもたワケやね。

残念ながら仕事とちゃうねん。

あれは忘れもせん、先週の木曜日や。

おとんのソーレン終えて、しさしぶしに仕事に出た日ですナ。

もう一週間経つんやナア。

ちべたい雨のそぼ降る中、「あぁーさぶ」と呟きつつ、しじょう階段へ出て、サミュエルガーテキに着火しようとするもんの、お湿りのせいかなかなか火が安定せず、「くそだら。こなくそ!」と格闘しとうおりに、ガンと後ろのドアーが開いて、見たこともない兄ちゃんが出てきましたのや。

で、その兄ちゃんが、

「すみません。私はこのビルの管理会社の者なんですが、ここでは煙草を吸ってはいけないことになっているんです」

なぞとぬかしくさったワケや。

もう目の前真っ暗になったデ。

しじょう階段がガラガラとその場で崩れ落ちてしもたような錯覚に陥ったわ。

「あの。煙草を吸おうとなさってましたよね?」

なさるもなさらねえも、パイプ手に持ってるだろうがよ!

その落ち窪んでボンヤリ鈍い光を放つ両の眼は飾りかてめえ。まみえが落っこちねえように留めてる鋲かよ。

その様子からすってぇと三十デコボコみてえだけどナ。

なんでぃその頭は?

見事にはがしゃあがってよぉ!

おぅおぅおう。

引き出しを違えちゃいけねえぜ。

こちとら求道者なんでぃ。煙草道のな。

そんじょそこらの喫煙者といっしょくたにしねえでおもれぇもうしてぇもんだ!


と、足元から鳥が飛び立つようにぽんついたろか思うたけど、非喫煙者からすると、ノーマル喫煙者であろうが喫煙求道者であろうが、猛毒のケブリを発生させる同じ穴のムジテキやさかいナ。

ビルヂング管理会社のニンゲンに「しじょう階段で煙草吸うたあかん!」て宣言されたら、こっちに一分たりとも理はないし。

しょうことなしに、「えへへ。どもすびばせん」と謝って、スゴスゴしきさがったったわいな。

ああ悲し。

え? それ以降自粛しとるかて?

ぜぇんぜん。こっから先も。

コソコソ吸いに出てますわ。今度見つかったら大問題に発展するかもナ。

まあそのおりはそのおりやデ。

ほかに煙草吸えるとこないねんもん。マジで。

ハゲ山・ツルテキには内緒にしといとぉ。