実は先日、キングビディのほかにもうひとしな煙草を購入したのである。
隠し立てしてしまって、まことにべんぼくない。購入したのはこれだ。
これは、ガラム(正式にはグダン・ガラム)・ヌサンタラという煙草である。十二本入り二百六十円だ。
妙にぬさぁーっとした名前から判断していただけるとおり、エイジアの産である。残念ながらインドではなくインドネシア製だが。
十二本入りというのは中途半端な気がするが、それは私がデフォルト十進法で暮らしている日本人だからであって、インドネシアでは当然なのかもしれない。
この煙草、パッとみいは普通であるが、全然普通ではないのだ。
何が普通ではないかというと、まずとにかく、何をさておき甘いのだ。黒系煙草やヴァージニア葉のお上品な甘さではないぞ。フィルターに甘ったるいシロップがたっぷり仕掛けられているのである。
せんに買い求めたポンポンオペラのフィルターにも甘味成分が隠されていたが、あんなもの児戯に等しい。何しろ、ワイシャツのポケットに入れておくと、そこらみな甘い香りが付着してしまうほどなのだから。
咥えてみると、アンプル入りの風邪薬または滋養強壮剤みたいな味がする。
ほんま何考えとん。
これだけで、ええ加減普通ではないが、もっと普通でないのは、煙草の葉以外のものが混入していることなのである。
ガラム・ヌサンタラには、クローブ(丁子)という香辛料が仕込んであるのだ。吸っているとこのクローブが熱でパチパチ弾け、うるそてかなわんのである。しかもその味が、もうなんとも言えんほどみょうてけれんなのだ。
しかも実に辛い。乾燥した煙草の辛さではなくて、文字通り香辛料の辛さであり、吸い終わった後やみな、くちべろがピリピリ痺れるほどである。
なんじゃこりゃ。
これは、フィルターを甘味料漬けにしてあるのもうなずける。甘味で香辛料の辛味を中和しないと、とてもではないが吸えないだろう。か…?
ほんとかな。こりゃいっぱつ試してみにゃならんど。
早速一本取り出して、先をば三センチほどちょん切って長めの奉天をつくり、煙管にぷちゅっと差し込んで吸ってみた。ほんま、奉天喫煙法を実行したのは一体何週間ぶりやろかかかかか……
辛らああぁぁー!!
いけど、これだけで十分甘みはあるがな。あまからアベニューやなこれは(古すぎ)。
しっかりフィルターつけるだけで、べつに甘ったるい仕掛けせんでも十分吸えるで。
子供用の薬やあろまいし。
なああんたそう思わんか?
