実装者家では、平日祝祭日に関わらず、諸般の事情により起床時間は午前四時四十五分と決まっている。


最近、サマータイムが施行されているのか、午前四時三十分には叩き起こされる。


平日であればそのまま食事して朝シャンして仕事に行き、仕事から帰ってああでもないこうでもないと執鍵活動をしているとどうしても就寝時間が午前零時頃になる。興が乗れば午前一時近くなることもある。


これが、実装者平均睡眠時間四時間の秘密なのであるが、いい加減この睡眠不足生活から脱却しないと、そのうち過労でぶっ倒れてしまうかもしれない。そのためには創作でなんとか道を切り拓く必要があるのだが、そのことについては今回の本論ではない。


ありがたいことに、休日だけは一時間から一時間半程度の二度寝が許されているのだが、この二度寝というやつが曲者なのだ。


眠りが浅いせいだろうが、ろくな夢を見ないのである。


今参画しているプロジェクトがそろそろ終わに近づいているということで、文筆業者として立つこと叶わぬならば(もう本年中は無理!)、システム開発の仕事を探さねばならない。


そのことが意識下にあったのだろうが、今週日曜(8月1日)に早速悪夢を見た。


新宿へさして技術者面談に行くことになったのである。


約束の時間は十八時半で、気の小さい私は三時間も前に自宅を出たのだが、途中で靴を履いていないことに気付いた。


靴下すら履いてない。裸足にホーキンスのサンダルをつっかけているのだ(現実世界において、私の休日足回りはそうなっている)。


「かあちゃんどうして教えてくれないんだよまったく。新宿に着いたら靴下と靴を買わなきゃな。でも高いのは駄目だぞ。どこかに靴のバッタ屋あったっけ。嫌だなあ。でも余裕をみて出てきてよかったよ、なあ娘……。って、げえ! こら、何で着いてきた?」


と、娘まで引き連れている始末である。


「おとちゃん、足の爪長い。切りなしゃい」


大きなお世話でぃ!


新宿に到着したはいいが、地上に出ることができない。


どの階段を昇っても、何を商っているのかとんと分からないお店の中に入ってしまうのだ。店員さんに「出口はどこでっしゃろな?」と訊ねても、「ここは地下ですので出口はないんです」と力なく首を横に振られるばかりなのである。


そのうち、約束の時間を忘れてしまった。十八時半であったか、十八時であったか、はたまた十七時半であったか、完全に忘れてしまい、只呆然と立ちすくんだところで眼が覚めた。


これはまた今回も、昨年の春のような状態(一ヵ月半仕事が見つからなかった)になるかもしれんぞ。


嫌な渡世である。