首都直下地震の話をすると、
みんな「うちは保存水あるから大丈夫です」と、どこか安心しがちだ。
でもね、それが 一番危ない“思い込み” なんだ。
災害リスクの講義をしていて、最近ほんとに強く感じる。
■首都直下地震では「水」が最初の分岐点になる
まず、首都直下が起きたとき。
東京都内は大規模断水、復旧まで数週間と言われている。
物流も止まる。
ビルの受水槽も揺れて内部破損した例が、阪神淡路のときにも報告されている。
都会ほど、水の“自前の保険”が少ない。
つまり、
最初の48時間は、“手元の水がすべて”になる。
ここまでは、みんな何となく理解している。
問題は、その“手元の水”が本当に安全なのか?だ。
■保存水は“腐らない”けど、“変わる”
よくある誤解がこれ。
「水は腐らない」→ だからずっと安心。
これ、半分だけ正しい。
水は腐らない。
でも、**保存している間に“成分が変化する”**ことがある。
特に注目すべきは、
🔥 硝酸態窒素(NO₃⁻) → 亜硝酸態窒素(NO₂⁻)への変化
この変化は、
高温、光、わずかな有機物、いろいろな条件が重なると進みやすい。
そして、亜硝酸態窒素は
乳児・高齢者に影響が強く、成人でも長期摂取は望ましくない。
「賞味期限内だから絶対に安全」
とは、実は言い切れないのだ。
■首都直下地震の“都会特有の罠”
都会は、高温の倉庫・カーポート・物置に保存水を置きがちだ。
夏場は屋内でも40℃を超える。
そして気づけば、5年保存水が7年、8年と放置される。
さらに、
避難所に人が密集すれば、乳児・高齢者・基礎疾患のある人への配慮が必要になる。
つまり、
「保存水はあるけど、飲めるかどうかは別問題」
という状況になりかねない。
これが、都会の“静かに忍び寄るリスク”。
■じゃあ、どう守る?
結論、すごくシンプル。
✔ 保存水の保管温度を管理する
クローゼット、廊下、玄関…。
“夏に30℃以上にならない場所”が鉄則。
✔ 期限より前にローテーション
5年保存水 → 3〜4年で交換。
「期限ギリギリまで置く」ほど危険。
✔ 乳児・高齢者のいる家庭は“上位品質”を選ぶ
硝酸態窒素が低い商品はメーカーで差がある。
「安い大量パック」だけで備えるのはおすすめしない。
✔ 地域で共有しておく
マンションなら、
「水の管理係を決める」だけでも生存率が変わる。
■最後に、高貝からひと言
首都直下地震では、
“保存水の質”が命を左右する。
これは、脅しでも理屈でもない。
現場で相談されるケースが年々増えて、本気で伝えたいことだ。
備蓄は量だけじゃない。
「飲める状態で持っておく」ことが、本当の防災。
次回は、
首都直下シナリオから逆算した
「家庭が最低限そろえるべき水の量と質」
をまとめるので、興味ある方はぜひ読んでほしい。
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