曇り空の中でもファンの熱気は相変わらず熱に帯びた東京競馬場で行われた第85回オークスは、2番人気のチェルヴィニアが内から抜け出した1番人気のステレンボッシュを外から強襲し、桜花賞13着からの巻き返しとともに16年2着に敗れた母チェッキーノの無念を晴らす勝利となった。
2着にステレンボッシュ、3着に3番人気のライトバックが入り、上位3番人気が上位3着を独占した。
チェルヴィニア騎乗のクリストフ・ルメール騎手は昨年のジャパンC(イクイノックス)以来のG1勝利で、オークス現役最多の4勝目を挙げた。
期待された“素質馬”が名誉挽回の勝利を挙げた。
前走の桜花賞は昨年のアルテミスS以来5ヶ月半ぶりのレース、さらに初めての関西圏のレースで大外枠と直線で挟まれる不利を受けて13着と惨敗した。
将来が期待される素質馬としてはふがいない結果に、管理する木村哲也調教師は「オークスでは強いチェルヴィニアをお見せできるようにしたい」と巻き返しを誓って渾身の仕上げをしてきた。
スタートからショウナンマヌエラとヴィントシュティレが飛ばして走り、チェルヴィニアは中団からステレンボッシュを見る形でレースを進めた。
1000m通過57.7秒とハイペースで飛ばす2頭が3〜4コーナーで一杯になると、後続馬がどっと押し寄せてきた。
最後の直線でランスオブクイーンとクイーンズウォークが競り合う中、内からステレンボッシュが差し込み二冠制覇が見えてきた・・・
しかしそれを見計らったかのように外からチェルヴィニアが一気に捕らえて最後は半馬身差をつけて、母チェッキーノが2着に涙を飲んだ舞台を娘が果たした。
クイーンズウォーク騎乗の川田将雅騎手を始め何人かのジョッキーとハイタッチをかわしたルメール騎手はこれが今年G1初勝利で、これで9年連続のG1勝利となった。
インタビューでは開口一番「ただいま!」とファンの皆に挨拶をした。
3月のドバイ遠征で落馬負傷し、肺に穴が開くほどの重傷を負ったが、手術をして僅か2ヶ月で復帰するという驚異的な回復力を見せた。
「桜花賞や皐月賞はミスをした(=間に合わなかった)が、なんとかオークスとダービーで頑張りたかった」と騎乗できなかった分を取り返す勝利に笑顔を見せたルメール騎手。
ケガから復帰後初の重賞制覇となり、これまで大変なこともあったルメール騎手だったが、ルメール騎手は「(ケガは)騎手の生活にはよくあること」と冷静に話し、「コータ・フジオカ(=藤岡康太騎手)や(藤岡康太騎手の)家族がもっと大変だった。僕のケガは関係ない」と先月落馬負傷で亡くなった藤岡康太騎手への思いを馳せた。
“ルメール×キムテツ(=木村調教師の愛称)”といえば昨年沸かせてくれたイクイノックスとのコンビがまだ記憶に新しいが、次のダービーでは17年ぶりの牝馬ダービー制覇を狙うレガレイラに騎乗。
“期待の素質馬”はもう一頭の“期待の素質馬”にいい形でバトンを渡した。
これまでG1はほとんど2着が多かったが、ようやく今年初の“本命馬1着”となりました!
やっぱ困った時はルメールや!
桜花賞13着からの巻き返しはレース史上最大の巻き返しであり、やはり期待されてた素質馬とあってこの馬の素質には頭が上がらないです。
結果が出たとは言え、問題はその後でこのまま勝ち続けるほどの強さを持っているかです。
まあ母のチェッキーノはオークスの後ケガで棒に振って、その後の成績がいまひとつだったからケガさえしなければもっと活躍できていたのではと思うと悔しいね。
チェルヴィニアはケガせずに無事にいってほしいです。
ステレンボッシュはさすが“桜花賞馬”の力は見せてくれた。
レース後落鉄していたということだが、落鉄しながらもこれだけ強い競馬を見せたなら今後も期待できますね。
ライトバックはランスオブクイーンとクイーンズウォークの間を突いて伸びてきたのはちょっとしびれたね。
個人的には当初ライトバックに○打とうと思っていたが、やはり折り合い面にまだ不安が残るということで△に落とした。
でも今回の内容を見ると、秋華賞では一番楽しみな馬になってきました。
賞金的にはどうかなと思うが、トライアル出して優先出走権取れたら確実に重い印を打ちたいと思います。
クイーンズウォークは前走の内容がホントに不可解だっただけに今回は“消し”でしたが、よく頑張りましたね。
キズナ産駒っていうのもあって、これくらいの距離がいいかもしれないですね。
ランスオブクイーンは前走未勝利戦を勝っていきなりG1と厳しすぎると思ったが、14番人気ながらまさかの大健闘にビックリ!
前2頭が飛ばして道中4番手の中でよく残ったのは、横山和生騎手の好騎乗も光ったかと思う。
今回の2ケタ人気馬はこっちだったか・・・
(いや、普通に眼中なしだから無理でしょう・・・。)
今週はダービー、ここはぜひとも当てたいですね。