第84回皐月賞は、2番人気のジャスティンミラノ(写真中央)が押し切りを図る3番人気のジャンタルマンタルを捕らえ、最後は7番人気のコスモキュランダ(写真右端)との叩き合いを制して、1分57秒1のレコードタイムで最初の一冠を手にした。
2着にコスモキュランダ、3着にジャンタルマンタルが入り、76年ぶりの牝馬皐月賞制覇を狙った1番人気のレガレイラは6着に敗れた。
ジャスティンミラノ騎乗の戸崎圭太騎手は昨年の安田記念(ソングライン)以来のG1制覇で、ジャスティンミラノの父であるキズナ産駒はクラシックG1初制覇となった。
先日亡くなった藤岡康太騎手に捧げる“弔い星”となった。
皐月賞の2週前と1週前追い切りに藤岡康太騎手が騎乗して確かな手応えを掴んできた中で起きた藤岡康太騎手の訃報・・・
管理する友道康夫調教師は「マカヒキもそうだったがウチの馬にほとんど乗ってくれた。(18年神戸新聞杯の)ワグネリアンは“代打”ながら結果を残してくれた」と藤岡康太騎手との思い出はたくさんあった。
それだけに今回は特別な思いを背負って挑んだ。
メイショウタバルが1000m57.5秒というとんでもないペースで逃げる中、道中3番手にいたジャンタルマンタルを見る形でレースを進めたジャスティンミラノ。
先行勢がつぶれてジャンタルマンタルが朝日杯で見せた早め抜け出しで押し切ろうとしたところ、ジャスティンミラノと前日アーリントンCを勝って重賞3連勝と勢い乗るモレイラ騎手騎乗のコスモキュランダが一緒に猛追した。
最後はジャスティンミラノがクビ差しのいで、昨年のソールオリエンスに続いてキャリア3戦目デビュー3連勝でクラシック第一冠を制した。
そのタイムは1分57秒1と15年中山金杯を勝ったラブリーデイが記録した1分57秒8を9年ぶりに更新し、スタンドからはどよめきが沸いた。
超高速決着の激闘を制したジャスティンミラノと戸崎騎手。
そこに待っていた友道調教師は「よくやった!」と戸崎騎手に肩をポンポンして出迎えた。
厩舎の現“大将格”であるドウデュースを始め、数々の名馬を育ててきた友道調教師は人目をはばからず涙を流した。
調教で常に騎乗した藤岡康太騎手のことを思うと涙が止まらなかった。
前走の共同通信杯前の追い切りで藤岡康太騎手が「(クラシックの勢力図を)塗り替えるかも」と小声で言っていたが、まさに藤岡康太騎手の言う通りになった。
友道調教師は「直線では“康太、康太!”と叫んでました。この勝利は彼のおかげです」と涙を流しながらインタビューに応えた。
友道調教師同様に戸崎騎手も目を赤くして「最後は康太が一押ししてくれたと思います」と時々天を見上げてインタビューに応えた。
インタビュアーを務めたフジTの倉田大誠アナから「藤岡康太さんにどんな報告をしますか?」という質問に、に戸崎騎手は「“康太ありがとう、そしてお疲れさまでした!”と言いたいです」と藤岡康太騎手に感謝を込めて哀悼の意を表した。
“最高の相棒”はもういないが、相棒が天国にいても深く結ばれた絆は決して切れることはない。
4月14日は“オレンジデー”、そのオレンジデーにオレンジ帽のジャスティンミラノが・・・
いや、できすぎでしょう!?
でもジャスティンミラノ陣営、皐月賞制覇おめでとうございます!
“競馬の神様”はこんな劇的な結末を用意していたとはね・・・。
最も言うならミスタージーティーが勝ってくれたらもっと良かったけど、それでもこんな感動的なレースにしてくれたことに感謝です。
本命のジャンタルマンタルは最高のレースをしてくれた。
朝日杯みたいなレースで最後の直線で早めに抜け出して正直「やった!」と思った。
でも最後パタッと完全に止まってしまって負けてしまったが、見せ場十分のレースで悔いはないです。
今の感じだとダービーはどうかっていう感じだが、個人的にはダービーでもやれると思ってます。
ただ“本命”にするかはまだ分からないけどね。
ダービートライアルを見て考えます。