昨年と同じく冷たい小雨が降った中京競馬場で行われた第54回高松宮記念は、6番人気のマッドクール(白帽)が好スタートから3番手について内ラチを通り、最後の直線でも脚色が衰えることなく粘り込み、2番人気のナムラクレアの猛追をしのぎ重賞初制覇がG1という大仕事をやってのけた。
2着にナムラクレア、3着に5番人気の香港馬・ビクターザウィナーが入り、3番人気のママコチャは8着、1番人気のルガルは10着に敗れた。
マッドクール騎乗の坂井瑠星騎手は昨年のチャンピオンズC(レモンポップ)以来のG1制覇で、前日の毎日杯(メイショウタバル)に続いての“土日重賞ジャック”となった。
また、マッドクールの父であるダークエンジェル産駒はこれが日本のG1初制覇で、オーナーであるサンデーレーシングはこの勝利で史上初の障害G1も含むJRA全G1完全制覇を達成した。
イクイノックス・ドウデュースなどと同じ“令和の最強世代”からまた新たなスターが誕生した。
ドウデュースが勝ったダービーの前日の未勝利戦に勝ったマッドクール。
その時に騎乗していた坂井瑠星騎手は陣営に「高松宮記念に行きましょう!」と言った。
目標を掲げた後トントン拍子で勝ち星を積み重ねて、OP馬になった昨年初戦のシルクロードSは3着に敗れG1の舞台に立てることができなかった。
次のOPレースで勝ち、今回と同じ中京1200m戦のCBC賞ではまさかの9着に敗れ暗雲が立ち込めた・・・。
しかしスプリンターズSではハナ差の2着に好走し、簡単には崩れないところを見せつけた。
前走の香港スプリントは世界の強豪相手に8着と壁にぶつかったが、まだまだ成長途上でこれからさらに力をつければもっとやれるという手応えは掴んでいた。
帰国初戦、前走より18kg体重を増やして過去最高の540kgとボリュームアップしたマッドクール。
数字だけ見れば「ちょっと太いのでは?」と思うが、管理する池添学調教師は「(体重増は)成長分」と強調し、「スタート決めて前に行けたら」とうまくスタート決めてくれたら勝算はあると感じていた。
そのスタートはうまく決まって、ビクターザウィナーの後ろ3番手について行った。
前半3Fが34.9秒と流れるペースの中、内ラチを通って距離ロスを抑えて進むマッドクール。
重馬場でペースが遅かった分、後ろにいた馬は伸びあぐね、前を捕らえることができなかった。
そんな中、内でスルスルとナムラクレアが徐々に前を捕らえにかかると、先頭に立ったマッドクールを捕らえる勢いに(マッドクール騎乗の)坂井騎手も必死に追った。
勢いは明らかにナムラクレアが上だったが、アタマ差まで詰め寄ったところでゴール。
昨年のスプリンターズSでハナ差の2着に負け悔しい思いをした坂井騎手は「リベンジができて嬉しい」と語った。
自分が考えてたレースプランも見事に成功させ、それはまるで昨年のチャンピオンズCで勝ったレモンポップみたいだった。
レースを見守った池添調教師は「(瑠星が)うまく乗ってくれた」と絶賛し、これから先に向けては「これが完成ではないですし、もう一段上に行けたら」と今後の成長に期待を寄せた。
クールな眼差しが見つめる先はさらなる高みを見つめていた。
う~ん・・・あのスプリンターズS2着はやはり実力があった証拠でしたね。
CBC賞で9着になった時で一気に信頼を落としてしまって、またそういうことがあるかもと思ったがなかったですね・・・
疑ってすいません!
坂井騎手は意外にもこれが高松宮記念初騎乗だったが、お見事でしたね。
前日にはメイショウタバルで毎日杯を逃げ切ったし、その勢いで高松宮記念も勝って“土日重賞ジャック”に成功した。
レモンポップにはお世話になったが、今回は手がつけられずホントにすいませんでした・・・。
ちなみに坂井騎手はペン持ちは右ですが、ボールを投げる時は左という自分と同じタイプだったことにビックリ!
テレ東の冨田有紀アナがサウジカップの取材に行った時に、坂井騎手と団野大成騎手とボーリング対決で“サウスポー”を見せてました。
卓球でもラケットは左持ちです。
坂井騎手の知らなかったことがひとつ分かって、余計に応援したくなってきました。
ナムラクレアはまたしても勝てることができなかったな・・・。
最後の伸びは一番際立っていたが、なんで勝たせてくれないんだ・・・?
こうなったら悲願は秋のスプリンターズSで!
この日の「競馬BEAT」に今月調教師を引退した安田隆行元調教師が解説者として出てました。
初めての“解説者”として出てきた安田元調教師だったが、やはり初めてってこともあって緊張してましたね。
これからどこかでまた出てくると思うので、安田元調教師の解説ぶりにも注目したいと思います。