G1馬8頭が集った中山競馬場で行われた第68回有馬記念は、2番人気のドウデュースが逃げる6番人気のタイトルホルダーを直線で捕らえ、最後は7番人気のスターズオンアースとの叩き合いを制して昨年のダービー以来G13勝目を挙げた。
2着にスターズオンアース、3着にタイトルホルダーが入り、1番人気のジャスティンパレスは4着、3番人気のスルーセブンシーズは12着に敗れた。
ドウデュース騎乗の武豊騎手は今年の大阪杯(ジャックドール)以来のG1制覇でG1通算81勝目、前週ケガから復帰後初勝利となった。
また、管理する友道康夫調教師は節目のG1通算20勝目で、グランプリレースは初制覇となった。
先日ターフを去ったライバルのイクイノックスを負かした“第89代ダービー馬”がレジェンドとともに完全復活を遂げた。
秋2戦はライバルのイクイノックスに完敗と明らかに力が逆転されてしまった。
主戦の武豊騎手のケガもあって、今回京都記念以来実に10ヶ月ぶりのコンビ復活となった。
ケガの回復が思いの外長引き、「もう乗れないのでは・・・?」と頭によぎったこともあったが、それでも懸命なリハビリを続けた甲斐もあってなんとか間に合った。
レースはスターズオンアースが好スタートを決めた一方、ドウデュースはゆったりしたスタートで後方からレースを進めた。
タイトルホルダーが15頭を引き付けてスターズオンアースが2番手、ドウデュースは後方からでジャスティンパレスは最後方で最初のスタンド前を通過すると観衆は大歓声を浴びた。
レースが動いたのは3コーナー手前でジャスティンパレスが進出開始するとドウデュースもまくるように前に進出した。
タイトルホルダーが徐々に自分のペースで後続を引き離すと、これが“ラストラン”とあって最後の最後で本来の走りを見せてくれるかと思って迎えた最後の直線・・・
タイトルホルダーが逃げ切りを図ろうとし、それを阻止しようと必死に追いかけるスターズオンアースとドウデュース。
ようやくタイトルホルダーを捕らえるとスターズオンアースとの叩き合いになり、武豊騎手も懸命に右ムチを叩いて鼓舞させた。
最後は体半分前に出て京都記念以来、G1としては昨年のダービー以来の勝利を挙げて人馬ともに“完全復活”をアピールした。
「ユタカ!ユタカ」とスタンドから沸き起こる“ユタカ・コール”に、武豊騎手は右手を上げてガッツポーズして応えた。
これを含めて、武豊騎手はこれまで以上に何度もガッツポーズした。
この日の騎乗はこれ一本に絞り、「絶対勝ちたい!」という気持ちが非常に強かった。
“一戦入魂”で見事勝利して喜びを爆発させた一方、もうひとつ勝ちたかった理由があった。
自分の結婚式で“仲人”を務めた作家の伊集院静さんが亡くなってからこの日がちょうど1ヶ月だった。
19歳の頃に出会い、その後は佐野量子さんとの結婚式で“仲人”を務め長年お世話になった“人生の師匠”でもあった。
「今年はいろいろあったから特別な気持ちで騎乗します」とケガで迷惑をかけてしまったこと、亡き恩師に捧げる感謝の勝利を届ける・・・
いろんな想いが込められた一戦をものにし、ドウデュースを管理する友道調教師や前川助手とともに喜びを爆発させた。
勝利インタビューで武豊騎手は開口一番「ドウデュースも私も帰ってきました!」と笑顔で“復活宣言”を出すと、スタンドからはたくさんの歓声が飛んだ。
ドウデュースの今年は京都記念を勝っているが、G1では昨年の凱旋門賞惨敗、その後はドバイを直前でアクシデントに見舞われ取り消し、秋の天皇賞は自身が直前でケガするアクシデントに見舞われ乗り替わり、前走のジャパンCでも騎乗できず(ともに)ライバルのイクイノックスに完敗と苦しい時期が続いた。
それでも“第89代ダービー馬”として武豊騎手は「(ドウデュースは)ここで終わる馬じゃない!」と相当な自信を持っていた。
だからこそドウデュースのダービーで見せた本来の強さをこの舞台で見せたかったのが武豊騎手にとって“使命”でもあった。
こうやって勝てたことに再びあの舞台に立ちたいという想いが強くなり、装鞍所で「来年もう一回行こう!フランスに行こう!」と友道調教師や前川助手にこう言った。
友道調教師も前向きに考えており、オーナーであるキーファーズの松島正昭代表も自身が馬主になった理由のひとつである「武豊で凱旋門賞制覇!」へ再び挑戦することを夢見た。
復帰初週の朝日杯FSで2着とまだまだ衰えを知らない“レジェンド”にとってこれが復帰後初勝利。
武豊騎手はインタビューの最後に「やっぱり競馬っていいものですね。これからも応援してください、メリークリスマス!」と締めくくった。
ライバルが一足早くターフを去った今、今度は自分が日本の競馬界を支えることを誓った。
これはもうとにかく言いたいことは・・・
ドウデュース、おめでとう!
そして豊さん、ありがとう!
予想はハズレたけど、もうこれに尽きます。
展開はタイトルホルダーが行ってアイアンバローズがまさか競りかけることなく控えるとは思わなかったが、それでもドウデュースはやっぱり“ダービー馬”としての威厳があるからそう簡単に終わる馬ではなかったですね。
豊さんはこれで有馬記念最多タイの4勝目だが、なんと20代〜50代と世代別で1回ずつ勝っており、これはもちろんレース史上初の快挙!
90年のオグリキャップ、06年のディープインパクト、17年のキタサンブラックと全てこれが“ラストラン”で勝利を挙げ、ドウデュースは来年も現役でいるため豊さんにとっては初めての“現役続行馬”での勝利となった。
ライバルのイクイノックスがターフを去り、これから競馬界を支えることになるが今回の勝利で失った信頼を取り戻し、来年さらなる活躍が期待されるでしょう。
2着のスターズオンアースは大外枠でもやっぱり走りましたね。
昨年のオークスでも大外枠で勝っており、今度は舞台が違ってもルメール騎手は菊花賞のドゥレッツァを彷彿させる騎乗ぶりで“不利”と言われていた16番枠でもやれることが証明された。
そして今回も複勝圏を確保してと、来年馬券買う人はスターズオンアースは“保険”で買うべし!
これが“ラストラン”のタイトルホルダーは本来の走りができましたね。
3〜4コーナーに入った時は「これは行ったか・・・?」と思ったが、やはり“ズブさ”が出てしまったか最後は力尽きた。
それでも3着と頑張ったことは評価したいし、昨年春の天皇賞に宝塚記念はホントにお世話になりました。
ドゥラメンテ産駒として数少ない後継者だが、いい仔が輩出することを期待したい。
本命のシャフリヤールは見せ場十分の5着。
道中4番手といい位置をキープして、最後はタイトルホルダーとの差があったせいか伸びが甘かった。
それでも香港帰り(←出走できなかったが。)からタイトな日程の中でうまく調整してここまでやれたなら上出来です。
8番人気で倍率が40倍超えって、ナメられたもんやね!
G12勝馬をナメんなよ!
これからも“推し”通します!
さて、まだ競馬は続きますが、自分としてはこれで2023年の競馬は終わりです。
今年も予想がうまくいった、いかなかったと波は激しかったが、個人的に一番気持ち良かったのはフェブラリーSですね。
あれは見事に◎○▲決着とうまくいって、G1開幕戦としていい形でスタートができました。
あとはチャンピオンズCでレモンポップを自信の“本命”にして見事勝利して、とにかくレモンポップには感謝です!
リバティアイランドもオークス・秋華賞の2回お世話になったし、アスコリピチェーノも良かったね。
「来年は今年よりいい成績で!」という目標は変わらないので、それが達成できるよう来年も頑張ります!